原尞 「それまでの明日」を読みました。
2022年の10月は、家人の通院につきそうため待合室で過ごす時間が多く、この長編を読み切ることが出来ました。さて、その後に3ケ月が経過して、現在は2023年1月20日。詳細はかすんでしまっているのですが、しっくりしないことが1点。探偵(主人公)が見つけた手がかりを、再終盤まで読者にかくしていた点。1人称で書かれたこの推理小説で、前半に探偵(語り手)はある登場人物が偽名を使っているという証拠を目視確認していたのに、あえて触れられることなく進行されていた。単に個人の意見なのですが、探偵と読者はすべての情報を共有できている推理小説が好きです。たとえば、読者の知らない過去の新聞記事を引用して犯人を特定するポアロは、好きではない。いくつもの超能力を持つかのスーパーマンと、自分(読者)が腕比べをするなんて土俵では臨場感を感じられない。クラークケントのままで土俵にのってくるのであれば、ぜひ、お手合わせしたいのだけど。探偵沢崎が、妖怪サトリに思考を読まれないという特殊能力の持ち主になったのだろうか。であれば、現在進行形の物語ではなく、事件後の証言調書として読むべきか。。。それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA) [ 原 尞 ]