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カテゴリ:旅への想い・ふしぎな風景・はじめての街角
(これは16時から17時におきたこと) BGMはこれ!!
タクシーの運転手さんは、おばさまでした。 「30年ばかり前に来たときにはバスがあったと思ったのですが・・」 「バスはね、赤字つづきで町がもちきれなかったんですよ」 などと世間ばなしをしながら、富士見パノラマリゾート、ゴンドラ麓駅へ。 徒歩40分とひとくちに言われるが、かなり複雑な道のりで、 歩いていたらまちがいなく、迷っていただろう。 4時10分、キップを買う、が、乗車券売り場から、ゴンドラ麓駅までは徒歩5分とか。 迷子になったら、乗り遅れるかもしれない。マーフィーの法則。 食堂やみやげもの店、アイスクリーム工房などの脇をぬけて歩きます。 (カッコイイ防水のジャンパーを売っているのが目に入り、小淵沢ショッピングを後悔する) 夜食用にビスケットあたりを買おうと思っていたが、それらしき売店がない。 とりあえず、自販機で缶コーヒーと、レモン水を買う。またまた、重量がかさむ。 4~5棟の建物を通り抜けて屋外へ。 誰もいない初秋のゲレンデのすそにそうように、道案内のさす右方向へ。 目標の山麓駅がどこなのか、はじめてなのでわからない。 人影はまったくない。 まぁ、マウンテンバイクとスキーを軸にした観光地で、シーズンオフで、平日で、夕方ですから。 今は閉鎖されている救護所や予備のトイレなどのかたわらをぬける。 歩きながら、これらの施設が、スキーシーズンににぎわう姿を妄想する。 単純な連想ですが、映画「ローカルヒーロー」も思い出す。 山麓駅には係員さんが待ち受けている。 何十というゴンドラが、からっぽのまま、動きつづけている。 さっき聞いたバスの維持費がよぎる。 ゴンドラとバスと、どっちが安いのだろうか。 ゴンドラはとにかく、怖い。 駅内ではゴトンゴトン、手すりに当たったりしている。 荷物を入れると前後に揺れ、自分が乗ったら左右に揺れた。 駅を出るやいなや、前方の視野はすべて、草に覆われた崖壁で塞がれる。 意外や意外、ゴンドラはロープウェーとは思えない急角度で、上へ向けて移動する。 そうだ、自分が高い場所に弱かったことを、乗ってから思い出す。 「あ、逆だ」 山側を見ていてはいけない。 このゴンドラは、後方に広がる八ヶ岳のパノラマが<ウリ>なんだから。 振り向くと、さすがに、すごいものが見えます。 まず、麓駅の後にひろがる田園風景。ここでも田の黄いろが鮮やか。 上方に目を移すとゴツゴツとした八ヶ岳の山巓の群。 視線を左右にふれば、さがるにつれ、のびやかに広がるたおやかな山麓。 果樹園、田畑、別荘地、いいなぁこういう暮らし。 「美しい村」という言葉がうかぶ。 にわか前田しんぞー。シャッターを押し続ける。 と、ここで携帯が鳴ってしまう。 こういうタイミングでかけてくるのは・・・、やっぱり、母上ですね。 「あしたの通夜は私が行くから、かえってこなくていいからね。」 (・・・あんたの行ける場所ではないって。) 「明日は、昼頃に出発すれは3時までには帰るから、間合うから大丈夫だよ」 「そっちから3時間で着くわけないでしょ・・・」 などと、不毛な会話をしている自分を乗せて、ゴンドラは登り続けます。 ゴンドラが谷をまたぐ際には目がくらみ、 架線から水飛沫がとびちれば心臓が静止。 さらに、スタッフジャンパーのおじさんたちが、3つのゴンドラに分乗して降りていく。 「上に係員さんが、残っているかしら・・・」 よけいな心配はおいといて、無事に山頂駅に到着。 係員さんも、まっていてくれました。 大地を踏みしめて最初にしたことは・・・、 おトイレさがして、小用をたして、やっとヒトゴコチ。だって、乗り遅れたらシャレにならないので、ずーっとガマンしてたんですよ。 駅を出ると、ここでもやはり、さわやかな風がむかえてくれます。 大地をふみしめて眺める八ヶ岳は、ひとしおです。 空を見上げると、青空4割、雲6割。 ゆっくりとではありますが、確実に雲がながれてゆきます。 今夜は無事、<まんてんの星空>を見ることができるのでしょうか。
あとは、今夜の宿泊所まで歩くだけなのですが、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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