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カテゴリ:旅への想い・ふしぎな風景・はじめての街角
(これは、あけて9月25日7時から10時におきたできごとである)
携帯のアラームにせかされて起床。 窓の外は明るいものの、うす灰色の雲が広がり、切れ間はみえない。 雲の色は明るい灰色。雨の気配はないように思える。 まずは歯磨き。 山小屋によくある洗面台。間口がひろく、蛇口が5個、横一列にならんでいる。 夏場の朝には、大人数の子供たちが、わいわいがやがや、おしあいへしあいするのだろう。 傍らには、地元の工務店さんのカレンダーがかけられている。 そういえば洗面台は木製でブリキの薄板で捲かれている。 この建物は、どこもかしこも、手づくり。 築年数は判然としない。 30年ほど前の地図には記載されており、その前から建っているのかもしれない。 冬はスキー場にほどちかく、 雪に埋まりながらも、年数を重ねてきたのだろう。 7時30分、あさごはん。 鮭と海苔とお味噌汁とお漬物と。 ほかにも幾品かあったのだけれど、寝ぼけていて思い出せない。 ちょっと無作法かな。と、思いつつも、 他のお客さんが食堂を出られたので、 3杯目のごはんにお漬物をのせ、最後にお茶漬けをいただく。 こんなにのんびりと朝食をとることも、普段にはないこと。 かたづけ荷物をまとめ、布団をたたむ。 忘れ物の無いことを確認。 受付で支払いをすませ、荷物をあずける。 8時20分、登山道へはいり、山頂へ向かう。 片道、30分ほどの道のり。 手には軍手、タオルを襟首に巻き、レモン水のペットボトルを水筒がわりに持つ。 雲は多少せわしなく流れていく。 風も、笹なり木立なりを揺らしながら、絶えず過ぎてゆく。 シーズンはずれで、他に人影はない。 確かに、こころぼそい思いがする。 昨日の湿原の道のりに比べると、勾配もきつく、まさに登山道。 この時期でも、路傍の笹群の縁では数種類の花が咲いている。 5分ほど登って、小休止。 路傍のホタルブクロなどを撮りながら、息を整える。 呼吸が落ち着くと、2種類の鳥の声が聞こえる。 巣を守ってでもいるのだろうか、移動はしない。 更に5分ほど登る。 登山道の右側の眺望がひらける。 手入れが行き届いた芝庭のような、牧場が見える。 左側のゲレンデのほうが荒れた感じがする。 牧場側 ゲレンデ側 このところ、英国のリンクスのゴルフ場をテレビで見ることが多いが、 くすんだみどりの色に、似たものを感じる。 寒冷地と高地は植生が似ているというのを、おおざっぱながら実感する。 牧場側 ゲレンデ側 山頂まではあと15分ほどかな。 岩場ルートと迂回ルートの分岐点に到着。 ひとり歩きであれば、安全優先。 迂回ルートをさらに5分ほど進む。 とつぜん、風がとまる。 雲はあいかわらず流れてゆくのに。 鳥の声も止んでいる。 寂寥・・・? 登頂はせずに引き返すことにする。 昼には電車に乗らねばならないが、 1時間に1本の電車なので時間にゆとりがあったほうがいい。 言い訳をつくろう。 下りは足もとへ視線があつまる。 そのためか、のぼりの時には気づかなかった花々にきづく。 半分ほど下ったところで、ゲレンデ側へ目線をあげる。 遠くの山並みは雲に見え隠れしているものの、 手前の電波塔はよく見える。 山荘の近くに軽トラックがとまり、鹿よけネットの設置作業をしている人影がひとつ。 孤独な仕事なぁ、と思っていると、中型の黒っぽい犬が1頭。 トラックと作業員さんを中にして、輪をかくように走っている。 山荘の近く、登山案内板のそばにある公衆トイレへ寄る。 なんと水洗、こんな場所なのに・・・。 入笠山は、女性でも安心して登山していただけます。 トイレを撮影しようと思い、 中はキレイだけど下品かな、外側だけでいいいかななどと思いあぐねていると、 間近から犬の息吹。 さきほどの黒っぽい犬がすりよってくる。 「こらこら、かえって来い」 飼い主さんは以外に若く30代後半にみえた。 昨日、湿原の入口であった人とは別の人だった。 (トイレの写真はすっかり忘れてしまう) 9時頃にはマナスル山荘さんへ戻る。 山荘のお母さんにあいさつし、荷物を受け取る。 「今朝は急に寒くなったねぇ」といわれたが、前日までの様子を知らないので、「そうですね」としか言えない。 受付においてある観光マップを見る。 ロッジの間を抜ける近道は省略されている。 迷子にはなりたくないので、確実な車道をすすむ。 昨日あるいた車道でも、見落としていた花を見つける。 山彦山荘のまえから湿原を一望。 ドライブにこられている数名のグループが2組ほど。 ひと組はカメラ仲間、もうひと組は家族連れの様子。 今日は寄り道があるので、湿原には入らず、車道を進む。 先ほどのロッジ道が左手の斜面をくだってきて、合流する。 寄り道は高校時代に毎夏お世話になった「すずらん寮」。 建替えられているが、まさに「この場所」である。 以前は、寮の入口から見えた山が、 道路を挟んだところにある木立が大きくなり、かくされてしまっている。 湿原との距離が近いことに驚く。 単純な学生であったあのころは、山頂を征することには目が向くものの、 近場の湿原へ降りることは考えてもみなかった。 寮の前で右折し、山頂駅へ向かう。 あのころにはこの路はなく、寮が最奥だったように記憶しているが・・・。 山頂と寮を結ぶ裏道(ロッジ道)しか使わず、山彦山荘の位置も知らなかったのだから、 あったのに気づいていなかっただけなのかもしれない。 道案内にしたがって行くと、昨日湿原へ入っていった十字路にあたる。 昨日の林間ルートへ入る。 途中、並行している自転車コースを走る人と2回すれ違う。 レンタルのマウンテンバイクを使えば楽だったかもしれない。次回の課題。 山頂駅の手前でにぎやかな声が聞こえてくる。 小学生が40人くらい、駅から出てくる。 先生らしい大人の方も10名ほど。 ここにも何人かのイタズラぼーずがおり、列を離れて走り回っている。 ここは八ヶ岳を見渡せる場所なのだが、雲がかかっていて不調。 昨日、アベックさんに遠慮して撮らなかったことを後悔する。 写真をみると静かな印象ですが、遠足集団から50Mもはなれていない状況でとりました。 (これは、あけて9月25日7時から10時におきたできごとである) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年05月27日 00時55分51秒
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