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2018年08月07日
どうしても読み進めない本があります。『星の王子さま』。 同じ著者の『夜間飛行』と『戦う操縦士』は20代中半にすっきりと読み終えている。 岩波版も手元にあるし、倉橋さん訳の文庫版もあるし、NHKラジオの朗読も録音してある。 どれも手をつけてはみるのだが、中断してしまう。 飽きるとか、退屈とかではなく「困惑」が原因みたいだ。 この言葉で適切なのかどうかは、自信がない。 自分はディティールの整った推理小説とかが好きで、 「過去にみた車窓の風景」や「映画の中の洋館」「旅行案内の現地写真」などを適当に引用しながら読んでいる。 のだが、王子さまの「星」や「凶暴なバオバブ」は脳裏に浮かばない。 空振りの「なんでやねん」が、積み重なって、終わりのない迷走に入ってしまう。 ******************** 2023年04月05日
『星の王子さま』読了。 時間調整と昼食のために入った喫茶店。 自分が日常を暮らしている範囲からは1時間ちょっとはなれていて、 窓の外を知人が通ることもなく、お店のスタッフさんもあかの他人。 フロアの南西の角の2人がけテーブル。専用駐車場に向いた窓が正面にある席。 読書に集中するには都合の良い環境。 このときまでに、はじめの3分の1あたりまでは読み進んでいたが、ここで一気に読了。 3つの時空で起きたことが語られる。 「宇宙での遍歴」「砂漠での交流」「語り手の子供時代」 で、感想はなくて、心象があるばかり。 現代彫刻や風景画のように、文字に翻訳しても意味がないような、 ありのまま置いておくのが、いいんではないかと。 『夜間飛行』や『戦う操縦士』には臨場感がありました。 『・・・王子さま』は、語り手の向こうにあって、語り手のフィルターを超えて、遠い砂漠とはるかな宇宙の距離に濾過されて。すでに結晶化しているように思われます。 星の王子さま/サン=テグジュペリ/倉橋由美子【1000円以上送料無料】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月02日 11時03分21秒
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