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東京出張の帰り、幕見にて観覧。前回の海老蔵のときとは違い、幕見席は空いていた。
●恋女房染分手綱 重の井(こいにょうぼうそめわけたづな しげのい) ・重の井:中村芝翫 ・腰元若菜:中村橋之助 ・三吉:中村国生 ・調姫:中村佳奈 ・本田弥三左衛門:坂東弥十郎 幼い調姫が江戸への輿入れを嫌がり、乳母の重の井は困り果てていたが、馬子の三吉が持っていた道中双六で遊ぶうちに調姫の機嫌が直る。重の井は三吉に褒美を取らせ、自らの名を教えたところ、三吉は我が母ではないかと言う。実は確かに三吉は、重の井が以前不義密通した家中の者との間の子だった。そのことに重の井も気づいたが、姫の乳母に馬子の息子がいるとなれば縁談に差し障る。重の井は母とは名乗らぬまま、泣く泣く三吉と別れた・・・というお話。 やはりドシロートとしては、どうしても華やかな子役たちに目が行ってしまう。まずは調姫役の中村佳奈ちゃん。福助さんの娘さん。「い~や~じゃ~、い~や~じゃ~、い~や~じゃ~わ~い~な~」と繰り返すのがあどけなくてかわいい。お人形さんみたい。 で、何と言っても、じねんじょの三吉役の中村国生くんが大注目。台詞は多いし、踊りも歌も盛りだくさんでびっくり。国生くんは、僕自身歌舞伎を見たことがなかったときから橋之助&三田寛子夫妻のワイドショー的ドキュメンタリー番組でよく見てたせいもあって、あらあらこんなに大きくなって・・・しかもこんな大役を堂々と演じるようになったんだねえ・・・と、赤の他人のくせに感慨深い。精一杯の見栄や童らしい仕草のかわいらしさに観客も沸く。胡座をかくのが難しいらしく、しきりに足をもう片方の足の上に乗せようとしていたのもご愛敬。一生懸命に演じてるさまは、かえって母を恋しがるいじらしさを感じさせる効果も。重の井の裾に取りすがろうとしているところとか、重の井に呼び止められて、だーっと全速力で駆け寄りヒシっと抱きつくところなんぞ、思わずじぃ~んとしてしまった。 もっとも全体的には、子役たちの微笑ましさに目尻が下がりっぱなしだった。子別れという悲しいお話なので、本来のお芝居の意図とすればどうかという気もするが、初々しさは何者にも勝るということか? ただ、今回はじめて地唄と三味線(義太夫っていうの?)が効果的だったなあと感じた。 #余談。この幕を見た後に金沢への帰途についたところ、台風の影響により直江津以西の列車が全面不通。やむなく直江津で一泊することに。これを見ずにさっさと出立していれば、まだその時間帯なら列車は運行していたため、その日のうちに金沢に帰れたのだが。まあ、国生くんを見れてじゅうぶん楽しめたのでヨシとしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 9, 2004 09:20:18 AM
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