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「初」狂言ですっ!わくわく!
といっても、実はタダ。地元新聞のチケットプレゼントに応募したところ運良く当選したのである。萬狂言金沢事務局から送られてきた封筒には「野村扇丞」の印。おおっ!我が自宅から徒歩10分程度のところに金沢和泉流の狂言師さんが住んでおられるとは!(もしかして中学校の後輩になるのかも?)と、妙なところに感激しつつ、仕事をそうそうに切り上げ、やはり狂言初観賞の友人とともに本日出かけていったのであった。 思えば中学校の授業以来の能楽堂。当時はまったく興味がなく、そのとき何を見たのかさっぱり記憶がない。今日の座席は最も橋掛り寄りの一番後ろ。最後部のいちばん左座席といえば、サッカー日本代表のバスならば、昔はカズ、今はヒデが座る王様シートであるが、能舞台では上等な席とはされていない。本舞台は真横から見ることになる。まあ、タダなので文句を言う筋合いではないし、むしろ、歌舞伎では幕見席がほとんどの僕にとっては、役者さんの表情がはっきりとわかるほど近い(揚げ幕はまさに目の前!)ことに充分満足である。 で、開演。ブザー以外にとりたてて合図もないうちに、役者さんが揚げ幕からしずしずと橋掛りを歩いてくる。客席の照明は落ちない。これが狂言の始まりなのだと軽い驚き。能の合間に演じられるものだということをあらためて実感する。 ●蚊相撲 大名:野村扇丞/太郎冠者:炭哲男/蚊の精:野村与十郎 最初は聞き慣れない台詞回しに一瞬戸惑ったが、じき慣れてきた。やはり表情が見えるのはよい。 太郎冠者といえば若造の家来というイメージだったが、炭さんという人は扇丞さんより随分ご年配。しかし、最後に大名に投げられるところでは、若い主人の無体さが出ていて、それはそれでいい感じだったと思う。 ●伊呂浪 子:野村拳之介/親:野村萬 お子さまものには無条件で頬が緩む。(悪い癖?) 一句一句ごとにす~す~と息を吸い込むのが気にはなったが(そういうものなのかな?)、それもまた可愛げ。 ●止動方角 太郎冠者:野村与十郎/主人:野村萬/伯父:野村祐丞/馬:吉住講 「寂蓮童子六万菩薩、静まり給えへ止動方角」。 う~ん、いい調子♪ 主が傲岸に威張り散らすところが見どころだそうだが、果たして、萬さんは凄い迫力だった。太郎冠者に先を行けと命令されて、揚げ幕付近まできたときは、その表情やキレのある動きやらをまさに目の前で見ることができ、ぎょっとするほど怖かった。与十郎さんの太郎冠者も、だんだん腹が立ってきて、やがて調子に乗っていくさまに、いいぞいいぞと思う。そして最後のシーン、太郎冠者がつい主人の背に跨がってしまう絶妙のタイミング。この下げを知らなかったこともあり、思わず大笑い。 いやあ~堪能した。総じてお声がとてもよく通り心地よい。なにより間が絶妙で、みなさん愛嬌がある。いずれの下げもじんわりとほのぼのした気分になった。 ドシロートは最初はなんでも感服しちゃうのだけれども(第一、筋を知らないし・苦笑)、まあ、今のところは、このいい気分に素直に浸らせてくださいな。 萬狂言金沢定例公演 ~真似づくし~ TMD Network お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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