カテゴリ:古典芸能
でっかい仕事が終わった~!封印していた娯楽を解禁するのじゃ~!
で、本日は「林家こぶ平改メ九代林家正蔵襲名披露・特選落語名人会」。場所はまたもやこまつ芸術劇場。仕事を早退し、電車で小松へ向かう。9月には歌舞伎の海老蔵襲名披露巡業にも行く予定であるし、昨年のこけら落とし以来、準ホームになりつつあるかも。 ~開演~ ●林家きくお(林家木久蔵師匠の息子さん) 山で遭難した男が桃太郎に助けられ、現代に生きるさまざまなおとぎ話の登場人物たちと遭遇する創作落語。若いだけに勢いはあるが、一本調子なので聞いていて少し疲れる(汗 ●春風亭小朝 「試し酒」 ある大店の主人が客先で話をしていたところ、主人が連れてきた下男は酒豪だという話になった。客先の旦那はたいそう面白がって、その下男を家に上がらせ、酒を五升飲んだら小遣いをやろうと言う。下男は少し考えると言っていったん中座したが、やがて戻ってきて見事五升飲み干した。客先の旦那はその下男に、中座して何をしてたんだと尋ねると、「どれだけ飲めるかわからねえから、向いの酒屋で試しに五升飲んできた」。 貫禄充分、バリバリの古典落語。田舎者の下男のどうにも憎めない感じが楽しく、さすがの名人芸だと感服。 ●林家木久蔵 独特のすっとぼけたキャラクターが炸裂。飄々と観客を爆笑の渦に巻き込んでいく。ついには伝家の宝刀・先代正蔵のモノマネが繰り出され、気が付けば結局まくらだけで充実の終了(笑)。小朝師匠とは違った意味の味わいを堪能。 ~休憩~ ●襲名披露 口上 司会(?)はいっ平くん。小朝師匠と木久蔵師匠がご挨拶。 歌舞伎とは違って、襲名する本人はここでは何も語らないのね。 最後は木久蔵師匠の音頭による三本締め。 「よお~」という合いの手は「祝おう」という意味だと初めて知った。 ●林家いっ平 武骨な豊臣七人衆が、作法を知らぬがゆえに茶席で右往左往する創作落語。唯一茶の湯の心得のある細川忠興を頼りに、その振る舞いを加藤清正、黒田長政、池田輝政、浅野幸長、加藤嘉明が次々と真似ていき、福島正則がひねってオトす。展開が練られており、テンポのメリハリもよくなかなか聞きごたえがあったが、サゲが安易なのが残念。 ●林家正蔵 「子はかすがい」 大工の熊五郎は大好きな酒を断ち、今は真面目に仕事に励んでいるが、以前、吉原の女に入れこんで、妻子に家を出て行かれてしまっていた。ある日、熊五郎は偶然息子の亀に出くわし、その成長ぶりに感激する。母には内緒だと言って亀に多額の小遣いをやり、翌日一緒に鰻を食べに行く約束をしてその日は別れた。ところが、亀は持って帰った小遣いを母親に見つかってしまう。母親は亀が盗みを働いたのだと思い込み、金槌で亀をぶとうとするので、とうとう亀は父から貰ったのだと白状した。逆に、母親は熊五郎が一人で真面目に働いていると聞き、気が気でない。翌日、亀を鰻屋に送り出した母親であったが、どうにも落ち着かず、鰻屋の前を行ったり来たり。ついには鰻屋に上がり込み、熊五郎と再会を果たした。熊五郎は過去の経緯を詫び、妻もそれを受け入れ、結局親子三人は元のさやに収まることに。母が「こうしてまた一緒に暮らせるのも亀がいたからこそ。子はかすがいですねえ」と感慨深げに呟くと、亀が言う。「おいらがかすがいだって? 道理で昨日、金槌でぶつと言った」。 人情噺の王道を真正面から堂々かつ丁寧に見せてもらった。テレビの中の「こぶちゃん」しか知らなかったが、さすがに大名跡を継ぐだけのことはあるとその芸をおおいに見直した。う~ん、大満足の一夜であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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