激動今昔~新選組!#08どうなる日本
激動は、黒船【グローバリズム】の到来で始まった。時の権力は制度疲労かつ機能不全。時代の流れに対応しきれない。幕府【政府】は、ただただ慌てふためくばかり。その場しのぎの対処で随所に無理を生じさせる。そんな中でも講武所【特殊法人】の奉行【天下り官僚】は、既得の地位に居座り平然と袖の下を受け取る。お題目はたいそうな施設も、人にまったくやる気なく、危機感ゼロ。公金の無駄遣い。そんな幕府【政府】に対抗しえない諸藩【守旧企業】。幕府【政府】の無策のせいでそのツケが回ってくる。ある藩士【サラリーマン】は、過酷な任務で鬱になり、【リストラされて】逆上する。その一方、幕府【政府】を見限った雄藩【革新企業】は、有望な人材を名門道場【海外留学】に送り込む。免許皆伝【MBA】を得るとともに、最新の思想を学んだ彼らは、幹部として改革を推進していく。また、出自は低くとも志ある若者は、新進気鋭の道場【ベンチャー企業】で、剣技【ビジネススキル】を磨いて出番を窺う。彼らはともに交流を深め、あるときは反目し合い、切磋琢磨しながらやがて激動の世の主役となってゆく。 * * * * *幕末の動乱は、今の世の姿に重なる。が、まったく同じというわけではない。幕末の場合、当初は我が国が数百年維持してきた秩序を守るべく、未知の概念を激しく拒絶し、その排斥(攘夷)を第一に考えた。やがて現実を理解するに至った者たちは、その野心ともあいまって、新たな秩序を構築すべく、時の権力を攻撃(倒幕)し始める。その政治活動は苛烈を極め、時には天誅という名の暴力も辞さず。他方では、現体制をたすけて困難を乗り切ろうという勢力も存し、彼らは彼らなりの信念をもって倒幕勢力と対峙する。これが勇らの新選組。これに対して今の世は、新たな価値をまずはとにかく受け容れた。とはいえ歓迎しているわけではなく、不思議なくらい何となく。乗っかった者は勝ち組。対応できない負け組は、放置。最近ようやく、ゆきすぎたグローバリズムないし成果主義に疑問を呈する声があがってきたが、政府を打倒するという発想は皆無で、ただ単に、無視。幕末同様、治安は悪化の一途を辿っているが、暴力沙汰の原因は、もっぱら金と色恋。さて、救いようがあるのは、どっち?