ブロークバック・マウンテン
もうずいぶん前に萌え友Mと観にいきました。腐女子とバレないか、知り合いに遭遇しないか冷や冷やしながら観に行ったんですが、なんの問題もありませんでした。やはり女性のほうが多かったけど、年代もバラバラでわたしたちが浮くことはなかったです。内容ですが、Mはイマイチと評価したようですが、わたしは結構スキでした。ストーリーにはたいした波もなく、淡々と進んでいく映画だったけど、わたしはその穏やかさがいいと思いました。なんだろう、人はこうやってすれ違っていくのかな~という感慨にゆっくりじっくり浸されました。きっともっとすばらしい解釈はあると思うんですが、わたしは感じたのは、端的に言えば「二兎を追うものは一兎もえず」でした。ジャック(ジェイク・ギレンホール)は本当に一途にイニス(ヒース・レジャー)を求めるんですが、イニスは家庭も仕事もおざなりにできないんです。まあ家庭のほうは失ってしまうんですが。そんなイニスがジャックを心からほしいと思ったのは、ジャックが死んだあとだったと。でも、何もかも棄てて愛に走れる人ってそんなにいるでしょうか?わたしは確実に無理な人間です。愛なんて形の見えないものに人生をかけることはできません。わたしは文学部に身を置きながら、感情ほどアテにならないものはないと思っています。こんなに移ろいやすく可変的なものもないんじゃないでしょうか。だから「ずっと愛してるよ」とは口にしたことがないですね。もちろんメルでも。だからわたしはイニスを責めることはできませんでした。もちろんお話としては2人がずっと一緒にいて、幸せに暮らしましたというのがきれいですし、こちらの気分もいいですよね。でも同時にそんなのありえないと思う。わたしより年上の人に言わせると、わたしは本気の恋をしたことがないらしいです。本気で「この人と一生一緒にいたい」と思える人って現れるらしいですよ。わたしはその話を聞いて、不安ながらも、そんな恋がしてみたいと思いましたね。頭で考えるばっかりの、ともすれば打算的になりがちなわたしに、愛を教えてください(笑)