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カテゴリ:想い出・ストーリー
皆さんもお酒に纏わる自分だけの想い出・ストーリーをお持ちかと思います。 本日たまたま、その中の一つを思い出す事がありましたので・・・ (人の昔話など面白くないと思いますが) 20代半ばに差し掛かりました頃、あるホテルのバーのカウンターで仕事の帰りに気分転換にお酒を戴いていました。(その当時の毎日ではありませんが習慣でした。) ある男性が突然横にいらっしゃって 男性『失礼します。5分だけお隣に座ってもよろしいですか?』 雪之嬢『はい。どうぞ』(内心は一人でいたかったから、お断りしたかったのですが) 男性『貴女に前から一杯御馳走したくて、何時もホテルの人に頼んでいたけど、すべての従業員の人に、あの方はお受けになりませんからと言われ断られました。だから今日は思い切って来ました。』 初めて聞く事でした。ホテルの人の陰ながらの心遣いに感動しましたので、私もそれに合わせ嘘を付きました。 雪之嬢『そうでしたか。私がホテルの方にお願いしておりましたから。申し訳ございませんでした。』 そして男性は一杯御馳走して下さいました。そして本当に5分位で立って友人達のところに戻って行きました。 それから顔を合わせる時は、会釈をするようになりました。 ある日、又私の隣に来て 男性『今日は、特別のお酒をホテルに取り寄せてもらいました。どうしても飲んで戴きたいと思いまして・・・』 これが続くと私の憩いの場がなくなる事を恐れながら、しかしまだ若かった私は断る事も上手く出来ず戴く事になりました。 コニャックでした。グラスに注がれたコニャックの香りをまず嗅ぎました。 思わず私が発しました言葉は・・・ 『幸せ。』 今でも忘れる事は出来ません。お酒の香りだけで幸せを感じた初めての一瞬でした。 ルイ13世でした。レミーマルタンのルイ13世です。 その名前もその時に初めて聞きました。 余りにも素晴らしい香りで暫く口にするのをためらいました。がっかりしたくなかったのです。この香り以上のものを実際口にした時に感じ取れるとは思わなかったのです。 結果は香り程私を驚かせてはくれませんでしたが、とても美味しいものでした。 その後、メロンが出てきました。半分に切られ真ん中をくり貫いたメロンにルイ13世が注がれ、その後サランラップで5分間密封しました。 その後に頂いたメロンの味は、言うまでもありませんね。 私の忘れられない味の想い出です。 あれからまだ一度もルイ13世を戴いていません。 その後、レミーマルタン社の方にお招きを受けました時、そのお宅には空っぽのルイ13世のボトルが電気スタンドになっていました。 その時に、ボトルがバカラ製である事を知りました。 数年前、バカラの美術館でも見る事が出来ました。 何時の日か・・・と思いながらボトルを見る度に思い出し○十年もたってしまったのですね。(あの時代よりも求め易い価格にはなっているのでしょうが、それでもまだ私には高すぎます。) 『クリックで救える命があります。』 この世に一つでも多くの笑顔を!バナーをクリック後、募金サイトからの再度クリックをお忘れなく!一日一膳!*花王さんが新しく参加されました。只今7社から募金が出来ます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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