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わたしの足跡

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2008.05.06
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カテゴリ:生きる

ある女性の人生の最後に、なんとも言い難い感情がこみ上げてきました。

致知出版社に届いたお手紙とその女性のその後です。

致知出版社サイト→こちらです。

***********************************

前略
突然お手紙を認めます事をおゆるし下さいませ。
何しろ日本列島の最西端に住む田舎者のこと故、
失礼があってはと恐る恐るペンを走らせております。

2~3年前九州で講演会がございまして
お誘いをいただきましたが、
体調に自信がもてませんでお断りの手紙を差上げましたら、
社長様からあたたかい言葉をいただき恐縮致しました。

毎月毎月『致知』を手に致します度うれしく、
編集されます皆様方のご苦労の程が身に滲みてまいります。
静かな気持で読ませてもらっておりますが、
私も何んとか皆様に報いねばと思い、
月日は過ぎゆくばかりに今日まで体調に全神経をつかい、
労りながら歩んで来ましたが、昨年集団検診で肺癌がみつかり、
X線治療を終え、今は何もしていません。

イレッサーの治療をすゝめられましたが、
家族の反対もございましてお断りしました。
当時はわりあい元気でしたが、だんだん故障がおこり、
自己診断ですが、もう残り時間がないように思います。

しかし、此の年まで生かされた事が不思議な程で、
悔いはございません。
最高の幸せ者のように思っております。
尊敬する夫、娘、すばらしき友、又『致知』に出会った事でしょう。

銀行支店の待合室で何気なく手にした一冊の本、それが『致知』でした。
ぱらぱらとめくり、目を通し、私が探し求めていた本だと、
その時は天にも昇るような気持ちでした。
誰かが忘れて帰られたのでしょう。
行員の方にお願いして一日だけお借りして帰り、読み、
早速注文しましたらすぐ送って下さいまして、今日に至っております。

二十五周年も九月にと伺いましたので、僅かですが寄進させて頂き、
役立てゝ頂けましたら、誠にうれしうございます。
どのように送金すればよろしいか教えて頂きたく存じます。
夫にもこの事を話しましたら快く承諾してくれました。
僅かですが、汚れたお金ではありません。ご安心下さいませ。

短い一生ですが、最高の人生を送らせて貰いました。
社長様にはお目にかかった事はございませんが、
『致知』を通じすばらしい方とお見受け致しました。
日本は今混迷の時代にあり、心がいたみます。
日本人の心を救うのは『致知』より外ないように思われます。
渡部昇一先生の手記にも感動の数々。私の思いを叶えて下さいませ。

一人娘も嫁ぎ、公務員の妻で、『致知』を読ませてもらっております。
私の夫は地方公務員定年退職し、施設の長を八年つとめ、
今は無農薬家庭菜園に終日といった日々でございます。
車の両輪のようによく歯車が廻っていましたが、私の力がつきたようです。
しかし、たのしうございました。

何となく根気がなくなり、乱雑な文で申訳ございませんが、
どうか意をおくみとり下さいまして、一筆お願い致します。
寄進は、1,000,000円ぐらいです。悪しからず。

 平成15年6月27日
                      吉坂 ○○子

          ☆


この手紙を読んだ時、大きな感動が走りました。
山口県の奥に住まれる70代の女性がこんなにも深い思いで
『致知』を読んでくれている――編集者冥利に尽きると思いました。

私はこの手紙をすぐに編集部長にみせました。すると、
編集部長が感嘆した声で
「この方、100万円も寄付するっていってますよ」
と言うではありませんか。

その言葉に私が驚きました。
私は寄進の額より『致知』の25周年を喜んでくださる気持ちが
何より嬉しく、「100・・・」の数字を確認せず、
10万円くらいだろうと、勝手に思い込んでいたのです。
寄進の額は私の想像をはるかに超えていました。

吉坂さんはその後、私や私どもの社員との交流が生まれ、
手紙や電話をやりとりするうちに、
ガンも進行を止めたのか元気になられ、
畑仕事に精を出されていましたが、
一昨年玄関先でハチに刺され、
それが元でお亡くなりになったのです。
30周年にはぜひご出席いただこうと思っていた
私どもにとっても悲しい出来事でした。

その吉坂さんのご主人から去年の暮に、お電話をいただきました。
八重子さんが『致知』の30周年にまた同額の寄付をしたいと、
ずっと言っていたので、させていただきたい、とのお申し出でした。
最近、ご主人よりお手紙をいただきましたが、
八重子さんの遺品のノートにこう記されていたそうです。(原文のまま)

「私は本(『致知』を示す)を一番の友としたことは
 賢明であったように思います…(中略)
 『致知』においては平成20年に
 創立30周年記念大会が開催されると
 思いますので、応分の寄進をしておいて下さい」

 故人は、自ら幸せを感じとらせてくれる貴社の発展を
 心から願っていた、寄進はその気持ちのあらわれ、と
 ご主人からのお手紙の言葉でした。

 吉坂八重子さんにお目にかかったのはお礼に伺った一回限りです。
 吉坂さんは白髪の上品な女性でした。
 「そこの縁側の隅が私の書斎(小さな台がありました)、
 そこで毎朝夕『致知』を読むのが楽しみ」と
 若々しい声で話してくれた笑顔を今も思い出します。

 こういう読者に支えられながら、歩ませていただいた30年。
 これをまた新たな30年への出発の時にしたいと社員一同、
 気持ちをひきしめています。
 これからもよろしくお願い致します。

最後に、最近ある人から
「『致知』は燮(しょう)です」という言葉をいただきました。
燮とはたいまつ、やわらぎという意味とのこと。
時代を照らすたいまつであり、時代にやわらぎを与える存在で
ありたいと思います。

***********************************

悲しみと同時に、この女性の幸せなご様子も伝わってきまして、様々な感情が入り乱れ、涙しました。

『クリックで救える命があります。』
この世に一つでも多くの笑顔を!一日一膳!






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最終更新日  2008.05.07 02:19:33
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