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わたしの足跡

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2008.12.15
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カテゴリ:スピリチュアル

男が荒涼とした砂漠地帯を旅していた。 まわりには木もなく、人もいなかった。

朝早く宿をたち、昼がすぎるころには、もうへとへとに疲れきっていた。

太陽が暑く、日陰も見つからなかった。

かなり遠くまで歩いたあと、彼はゆくてに大きな樹を見つけた。

よろこんでその木陰にたどりつき、ようやく一息ついた。樹には多くの枝が広がり、
その下はとても涼しかった。彼はそこに座り込んだ。

「なんて暑いんだろう。咽喉(のど)がからからだ。冷たい水が飲めたらいいのだが・・・」

そう思った瞬間、突然目の前に、コップになみなみとつがれた冷たい水があらわれた。

男は一瞬驚いたが、咽喉の渇きには勝てず、そのままコップを手にとって、ごくごくと一気に飲みほして、ほっと一息ついた。

彼は、この樹が普通の樹ではないことを知らなかった。それは「カルパヴィラクシャ」という思いをかなえる樹だった。この樹の下で思ったことは、一瞬にしてすべてかなえられるのだ。

そんなこととはつゆ知らず、男はこう思った。
「お腹がすいた。なにかおいしいものを食べたい」
その瞬間、ごちそうを山盛りにした大皿が目の前にあらわれた。
ご飯に何種類ものカレ-、チャパティや豆のス-プ、ミルク菓子やもろもろのデザ-ト、そのほかにも数えきれないほどのごちそうが並んでいた。

彼はつぎつぎと皿の料理をたいらげた。それはなんとも言えないほどおいしかった。彼は、満腹になるまで食べつづけた。

朝早くから長時間歩いたことと、すばらしいごちそうを食べて満腹になったことで、つぎに彼は眠たくなって自分自身につぶやいた。

「眠くなってきたが、ここは小石だらけで寝心地がよくなさそうだ。やわらかなベッドがあればいいのだが・・・」
と思った瞬間、どこからともなく豪華なベッドが彼の脇にあらわれた。 彼は、ベッドの上で身体をおもいきり伸ばして、こう思った。

「朝から歩きっぱなしでへとへとだし、足も痛い。だれかマッサ-ジしてくれる人がいればいいのにな」
すると、ベッドのわきにうつくしい女性があらわれて、彼の足をもみはじめた。

彼はこころから満足した。願いはすべてかなえられる。まるでおとぎの国にいるようなかんじだった。 そうして、彼はようやく不思議に思いはじめた。

「いったい、これはどうなっているのだろう? この樹の下で思ったことは、なにもかも現実になる。私は夢を見ているのだろうか。それにこんなところで眠ってしまったら、危険にちがいない。もしもここに虎が出てきたら・・・」

彼の考えが終わらないうちに、もう、空から虎が飛び出してきた。 「あ、まずい! 食べられてしまう」
と思った瞬間、虎は彼に襲いかかり、ずたずたにして彼を食べてしまった。
これが、彼の願いごとの結末であった。


『クリックで救える命があります。』





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最終更新日  2008.12.16 10:15:30
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