読レポ第649号 傾聴の基本 著:心理学博士 古宮 昇 発行:総合法令出版KK Ⅲ部 第4章:傾聴がもたらす 人間関係の変化 4-3縛りから解放されと 自分らしくなれる
読レポ第649号 傾聴の基本著:心理学博士 古宮 昇発行:総合法令出版KK Ⅲ部 第4章:傾聴がもたらす人間関係の変化 4-3縛りから解放されと自分らしくなれる 親や社会などから押しつけられた「べき」の縛りから自由になればなるほど、私たちはラクになり、イキイキしてきます。 自分らしさが輝き出してきます。 すると次のような緩んだ心の変化が徐々に表れ始めてます。 自分のことがなんだか好きだ。 自分の本当の気持ちを感じてもいい。 そのままの自分がいい。 人からどう思われるかがあまり気にならない。 人が好き。もっと仲良くなりたい。 過去に感謝。 未来にワクワク。 やる気と元気を感じる。 私たちがこのように変化すると、「人に優しくしなければならない」から優しくするのではなく、人を思いやる気持ちが自然と湧いてきます。 私たちは本来の自然な自分へと心が開かれ、平和と調和を好み、人と仲良くなりたいと願うようになります。 「努力することが立派なこと」だから努力するのではなく、 自分の可能性を伸ばし自己実現したくなるので、 「自分で決めた目標を達成したい」から、「もっと上達したい」から、「もっと学びたい」から、努力するようになります。 そのとき、努力すること自体に意味を感じます。 より積極的に行動するようになるし、新しいことに挑戦することが増えるし、 人の期待に応えるためではなく、自分らしく成長するために努力するようになります。 「遊びもできないと人間としてつまらない」から遊ぶのではなく、 「楽しいコトが好き」だから遊ぶようになります。 休息が必要なときは「休みたい」という自然な欲求に従って休みます。 自分の気持ちや感覚を信じられず他人に頼るのではなく、 自分の正直な心をより信頼するようになるのです。 すると、「自分のことが好きだ」と思えない状態から、 「そのままの自分がより好きだ」と感じ、受け入れるようになります。 ありのままの自分を自分自身が嫌がると、人に対して自分を偽ろうとします。 反対に、自分が自分をありのままで受け入れるほど、人に対しても素直に自分を出すことができます。 ですから、傾聴が進むにつれて人から悪く思われる不安が減るので、人との関係がより自由でラクになります。 心の痛み、憎しみ、寂しさを人にぶつけることが減り、 穏やかさ、寛容さ、共感的な理解をもとに接することが増えるので、人間関係がより良くなるでしょう。 考え方も柔軟になります。 「白か黒か」と考えがちだった人が、「白も黒も両方だなあ」と考えるようになります。 「絶対にこれしかダメだ」と考える傾向が減り、 「こういう見方、感じ方、方法もあるなあ」と、異なる側面を見ることができるようになります。 物事や他人について悲観的に、悪いように受け取る傾向があった人も、 より現実に即した見方、感じ方をするようになります。 さらには、生きること自体がラクに感じるようになるし、自発性とやる気が湧いてきます。 こうした変化は、周囲の人々にも良い影響を大きく受け、 親が不安だと子どもは家庭の影響を大きく受け、親が不安だと子どもも不安になります。 子どもの心や行動に問題があるとき、親に手を差し伸べると 子どもの問題が消えることが珍しくありません。 親の心が緩むほど子どもの心も緩み、 その子らしい生き方ができるようになります。 このような過程を本来の自分らしさが輝き出すよう援助するのが傾聴なのです。 ですから傾聴には、「人間は本質的に成長を求めており、善良で社会的である調和を好むでいる」という基盤があります。 私たちがこの世にうまれてきた目的は、自分の可能性を開花させ、自分の素晴らしさを実現するためです。 それは、私たちの側面というよりもスピリチュアルな側面の事柄であり、私たちが魂のレベルで望んでいる深い願いなのです。 と著者は述べています。 ホンマに親や社会などから押しつけられた「べき」などの道徳的・社会的な縛りら解放されてありのままでいる自分でいることができると心が楽になります。勝ち負けや絶対などから解放されたら、ずいぶんとラクになれます。他者からどう思われるかが気にならなくなれば、ますます心がラクになります。「べき」などの道徳的・社会的なことに囚われないで自分のありのままでいる勇気を出すことが良い人生になって行きます。この日本の同調圧力社会では、いきなりするのではなく、徐々に自分の「べき」を見直してやれることから、やっていくことです。そうすると、悩みなどがしだいに減少して行きます。良い人生になって行きます。そう生きることで、子どもや周りに影響を与えて、子どもや周りの人たちも悩みが減少していきます。 ありのままでOKなのです。人それぞれ、違いを「全承認」「全肯定」で受容して、 それぞれを尊重し合えばいいのです。傾聴では、そのような人の勇気づけをもたらすことができます。