読レポ第835号 ぶり返す「怒り」「さびしさ」 「悲しみ」は捨てられる(②乗り越え方についての「間違った考え」)(1/4) [①「喪失の悲しみに向かうより、それから逃れほうが良い」!
読レポ第835号 ぶり返す「怒り」「さびしさ」「悲しみ」は捨てられる!著:心理学博士 古宮 昇発行:㈱すばる舎 第3部つらい感情を洗い流す!「5つのセラピー+α」 ♡4、喪失の悲しみを手放す(②乗り越え方についての「間違った考え」)(1/4)[①「喪失の悲しみに向かうより、それから逃れほうが良い」] わたしが父をなくしたのは大学生のときだったのですが、葬式のとき、参列者の一人が、「しっかりしなさいよ。ねっ、わかった?気を落とさないで元気をふりしぼって。がんばって、がんばって」と励ましてくれました。 善意で励ましてくれたのですが、それはかえってしんどかったです。そうやって励まされた人は、「悲しいのは良くない」とメッセージを受け取りかねません。 ヘレン・ケラーは次の言葉を残しました。「向こう側に行く唯一の方法は、ドアを通りぬけることです」 この言葉は、喪失から立ち直る過程の性質を如実に言い表しています。喪失の悲しみを乗り越えるには、悲しみ抜くことが必要です。その悲しみを避ければ避けるほど、喪失の事実を受け容れるのが困難になり、立ち直りが進みません。 と著者は述べています。 確かに、喪失で悲しくなっている時に、言った人は善意でのことですが、「しっかりしなさいよ。気を落とさないで元気をふりしぼって。がんばって、がんばって」と励まされることが,よくあります。著者が言っているように「悲しむのは良くない」とのメッセージに受け取りかねません。これは、よくあることです。私もついついやってしまっているな! 悲しむコトじたいは悪くない、悲しいときは、たっぷり悲しでいいのです。悲しむことじたいは悪くありません。 たとえば、悲しいときは涙を流してもいいのです。 日本では「男の子なんだから、涙を流すのはやめなさい」などと言われますが、男も涙を流していいのです。悲しいときは、涙を流してもいいのです。悲しさをありあり感じるコトで悲しさからの立ちおりを進めます。 私も友人が白血病になったと、他の人から聞いて、涙がとまらなかったです。でも、幸いその友人は白血病をどうにか克服しました。 悲しむことは、わるいことではないです。悲しみをありありとたっぷり感じて、たっぷり感じたあとには、立ち上がり新しいドアを開き、前に進むコトができます。 いつまでも悲しみに蓋をしていたら、悲しみは何度もぶりがやってきます。悲しみを涙を流してもいいのでありありと悲しみを味わいましょう。