読レポ第922号 改訂版アサーション・トレニンーグ さわやかな〈自己表現〉のために第5章言葉以外のアサーション 3,怒りとアサーション(5/5) d,他者との怒りへの対応
読レポ第922号改訂版アサーション・トレニンーグさわやかな〈自己表現〉のために著:平木典子発行:㈱日本・精神技術研究所第5章言葉以外のアサーション3,怒りとアサーション(5/5)d,他者との怒りへの対応 それでは、自分に対して他者から怒りがむけられたとき、どうすればよいでしょうか。 まず、たいせつなことは、自分の怒りの場合と同様、「怒りは相手のもの」であることを認識することです。もし、相手の怒りが「自分のせい」だと受け取ったり、仕返しに自分も怒ったりするとすれば、それは他人の怒りを自分に伝染させ、意味のない攻撃、消耗的なやりとりを始めることになります。他者の怒りをまず伝染させないことが重要です。 次に大切なことは、相手の怒りの気持ちを否定しないことです。「そんなに怒ることはない」とか「怒るのはよくない」といった対応は相手をたいせつにしたことにはなりません。むしろ、相手の怒りを否定しようとせず、相手のものとして受け止め、その理由を理解しそれに対応する意志があることを示すことが大切です。 そして、もし自分の言動が相手に好まれなかったり、脅威を与えていた場合は、変えて穏やかにすればよいし、変えることができなくても、少なくても相手に詫びるなどの自分ができることをする権利があるのです。 また、相手の気持ちを受け止めると同時に自分の気持ちを相手に伝えることもたいせつです。もし相手から怒りを向けられて緊張したり、防衛的になっていると、相手の気持ちを正確に受け止めることができていないかもしれません。そんなときは、「怖い」とか、「動揺している」とか、「ちょっと待ってください」なぢ、自分の防衛的な気持ちを表現することが必要です。つまり、脅威のぶつけ合いによる泥仕合は避けて、互いの問題解決能力を発揮するきっかけをつくろうとすることです。通常の人間関係では、「弱さ」を見せた場合、さらに攻撃されることはめったになく、多くの場合、立ち止まってどうにかしようっと建設的になるものです。 もし、それでも解決できない場合は、第三者に仲介を頼むのも有効な方法です。いずれにしても、怒りの感情に慣れ、怒りをためて爆発したり、攻撃的に出さないよう、日頃からの心がけが大切です。と著者は述べています。 確かに相手の怒りに対し「そんなに怒ることはないでしょう」とか「怒るのはよくない」と言った反応は、相手をますます、怒らせる可能性がある。それは、相手の怒りを否定した態度です。相手の怒りを否定しようとせず、相手のものとして受け止め、その怒りを理解しようとすることです。 また、自分の言動が相手に好まれなかったり、脅威を与えていた場合は、穏やかに言動を訂正するか、、相手を傷つけたと思ったら詫びることです。プライドなどは、さっさと手放して詫びることが、一番、相手の怒りを鎮めることになります。プライドは、素直に手放すことです。