「毎日更新」読レポ第2087 カール・ロジャーズ ロジャーズの「政治哲学」(3/5)
「毎日更新」読レポ第2087カール・ロジャーズ~カウセリングの原点~著:諸富祥彦発行:㈱KADOKWA第7章 「静かなる革命」 ロジャーズの「政治哲学」(3/5) セラピストからクライアントへの「意思決定の主体」や「パワー・バランス」の転換ということに、ロジャーズは徹底的にこだわって仕事をおこなってきた。「クライアント中心のアプローチの政治とは、クライアントをコントロールしたり、クライアントに代わって意思決定することなどのすべてを、意識的に放棄し回避することである」とロジャーズは言う。「クライアント中心」とは本来、あらゆる心理療法において重んじられるべき「自己決定の尊重」という社会的・政治的理念なのであった。「クライアント中心のアプローチの政治とは、クライアントをコントロールしたり、クライアントに代わって意思決定してやることを、すべて意識的に放棄し回避することである。これはクライアントによる自己所有の促進であり、その達成を可能に諸方策を意味している。意思決定の主体が誰であり、その決定に対する責任を誰が担うのかを明確にしているのである。そこでは政治的にクライアントが中心とされている」(Rogers,1977) 何の説明も要しないほど明快な言葉である。クライアントがどのような人生を選択するべきか、セラピストの応答が正しいか否か、決定や評価の最終的権威はクライアントに置かれたのである。ファーソンもいうように「ロジャーズのアプローチは、我々に人間としての尊厳を与えるやり方」である。「相手にとって何がよいか知っていると思い込んでいるセラピストからクライアントを最も保護するもの」である。「クライアント中心」とは元来、単なる心理療法の一流派ではない。あらゆる心理療法において尊重されるべき「自己決定」という社会的政治的な理念なのである(Farson,1974)と著者は述べています。 ここでは、クライアント中心が政治的である意味を述べている。いかにクライアント中心が人間としての尊厳での自己決定を尊重しているかをロジャーズは述べている。 それは、「クライアント中心のアプローチの政治とは、クライアントをコントロールしたり、クライアントに代わって意思決定してやることを、すべて意識的に放棄し回避することである。これはクライアントによる自己所有の促進であり、その達成を可能に諸方策を意味している。意思決定の主体が誰であり、その決定に対する責任を誰が担うのかを明確にしているのである。そこでは政治的にクライアントが中心とされている」のである。 私も様々な心理療法があるがそのまえに、上記のようにクライアンがト中心である自己決定を尊重することであり、カウンセラーやセラピストは、クライアントをコントロールしたり、クライアントに代わって意思決定してやることを、すべて意識的に放棄して、クライアントの自己決定を尊重することを元にするべきと思う。そうしなければ、ほんとうのクライアントの自己変容にはならないと思う。カウンセラーやセラピストは、その促進が役割のように思う。 私がやってきた話し合いのファシリテーターと同じである。相手のなかにあるモノを引き出す主体性の促進である。