テーマ:DVD映画鑑賞(14203)
カテゴリ:遊女aosmeの「映画とドラマ」
1972年ミュヘンオリンピックの選手村にパレスチナゲリラ「黒い九月」が乱入し、イスラエル選手団を人質に取るという事件が起こった。結果はドイツ警察の失態が重なり、空港の駐車場で、人質は全員死亡という結果に終わったのだった。
悪夢のようなこの事件の後、イスラエルは激怒し、すぐさまレバノンとシリアに報復攻撃をしたが、それだけでは収まらなかった。ドイツ警察署にいた犯人は、ハイジャック事件により、釈放され、その後生き延びていた。イスラエル政府は、<神の怒り作戦>によって生き残った犯人たちの全員を殺害する計画にでたのだった。そのために選ばれた5名、モサドとはまったく関連がないように、それぞれの経歴を消された男たちが集まった。 まさに、この7月からのイスラエルによるレバノンの攻撃が生々しく心に残っているときに、この映画を見ると、また、非常にリアルに感じます。イスラエルの立ち位置から見て描いているのですが、暗殺命令を受けた主人公が、祖国のため、家族のためということで暗殺を繰り返すうちに、互いの恨み返しの繰り返しの中に、平和も未来もないということを、身をもって体験していくというストーリーとなっています。改めて平和の意味を考えざるを得ない映画でした。国家とはいったいなんなのでしょう。 主人公が妻に、「自分の祖国は君だ」と語る場面があります。彼女はくさい台詞だといいますが、彼は本気だというのですね。非常に印象的でした。しかし、パレスチナゲリラの、「祖国のない悲しみは、わからないだろう」という言葉もまた胸に刺さってくる言葉です。あまりにも平和な日本にいて、私たちには国がないということが理解できない感覚なのです。国、そして政府、そして権力、そういった人間が作り出してきたものの限界が訪れつつあるのではないでしょうか。 スピルバーグの映画なので、非常にうまい展開です。ぜひご覧になってください。 監督 スティーブン・スピルバーグ 出演 エリック・バナ ダニエル・クレイブ キアラン・ハインズ ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.09.05 00:24:55
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