カテゴリ:遊女aosmeの「その他の本」
~中高生と語る大脳生理学の最前線~
この本は、若手の脳科学者である池谷さんが、ニューヨークに留学されているときに行われたとても興味深い試みの連続講義を本にしたものです。池谷さんは「海馬」でご存知の方も多いと思います。 最近はこのように大学で教えていらっしゃる先生方が、本当に面白く興味深い講義を、本という形でまとめてくれていることが多いですね。たとえば中沢新一さんや、茂木健一郎さん、そして、松井孝典さんなど、大好きな先生方の取って置きの講義をゆっくり読むことが出来ます。これはとても幸せなことだなと思います。今回のこの池谷さんの本も、とっても興味深く、そして楽しく驚くべき内容でした。ご本人も、この講義を行っているときは、留学中ということもあり、高揚感があり、自分でも嫉妬してしまうような輝きがあるとおっしゃっています。また高校生という、若くて柔軟性のある学生たちとのコラボレーションということもあるのだと思いますが、本当に楽しめました。中学生、高校生にも理解できるように、優しくシンプルに話が出来るかということは、いかに自分の学んでいる分野を理解しているかが問われると、全力でしかも楽しみながら講義している姿がとても心地よく、読み手に響いてきます。脳科学の問題から、哲学や心理学にも踏み込んでいるということをおっしゃっていますが、「心とはなにか」という、脳の研究をされている最先端の方々が今、踏み込もうとしている大きな課題を正面から捕らえて、果敢に挑戦されている様子が感じ取れます。とてもさわやかな読後感、そして、面白かったという満足感が得られる講義なのです。 記憶のこと、脳のあいまいさ、柔軟性、そして脳の可能性、今最も興味深い脳の世界の最先端の知識が知らずのうちに理解できてくる大変刺激的な内容です。 学生になった気持ちで、一緒に考えられる貴重な一冊。ぜひみなさんもお読みください! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.17 11:14:06
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