カテゴリ:遊女aosmeの「その他の本」
非常に楽しく軽快、しかも深い内容で、時々は笑いをこらえながら読みました。日本人の感性を物創りから分析し、特に日本人が当たり前と思っている商品が、実は世界から見て非常にユニーク、かつ絶対にまねできない誇るべきものであることを、いろいろ例を挙げて話してくださいます。キュートであること(かわいい)や、はずかしい、をコンセプトに女の子チックな発想があふれ、そして贅沢なほどの便利さを追求してやまない身近な日常の品々。このようにあらためて考えて見れば、なるほどと納得します。
また、日本人が物を擬人化することが得意だということも、世界的な感覚からすると非常にユニークなのだそうです。そういったユニークな日本人の感性から花開いたのが、実はオタク文化ということなのですね。 スタートのトイレのお話もとても興味深いお話です。なるほど、日本のトイレは世界に誇る優しさあふれるトイレなのだと納得します。世界の何処にいっても、日本のようなトイレはないので、それだけは、海外に行って日本のありがたさを身にしみます。以前、個室に入ったとたんにふたが開くトイレに出会ったときは感動しました。それが、高級ではない、普通の居酒屋さんにあったりするわけなんです。ドアを開けるとふたが自動であき、そして座ればほど良く温かく、同時に座ったとたんに乙姫が自動で鳴り、用を足せば、心地よいウォシュレットが作動し、立ち上がったとたんに速やかに自動的に流れる水、そして、手を洗うところでも差し出せば水や石鹸がでて、最後は乾燥機で乾かすという、まるでセレモニーのようなこの流れ。これはやはり世界最高のトイレ水準といえるでしょう。そんなトイレがいかにも普通にあるという、日本という国は、やはり特異なんでしょうね。 また、私たちが水を流すときには当たり前に大と小というレバーがありますが世界のどこにもそのようなレバーはないそうです。節水を考えてほとんどの洋式トイレに普及させてしまうというところもすごいですね。こんなことは当たり前で、普段、考えても見ませんでしたけれど、実は日本だけの特異な現象なんですね。 様々なところで、日本人の消費者としての感性は世界一の水準と言われているらしいですが、確かにそうなのかもしれません。そういった優れた感覚にあまり気がついていないところも日本人らしいところですね。 また、最後のほうにあげられていた、日本が誇るアニメの影響について書かれたお話がとも面白かったです。40年後に日本とアメリカで戦争が勃発しそうになったと仮定します。アメリカが、日本の首都、東京を攻撃しようとしている会議のさなか、一人の政治家が「東京を攻撃したら、あのセイラームーンのいた白金もなくなってしまうのか」と口にしたら、多くの政治家が同じように感じて東京攻撃を想いとどまるというようなストーリーなんです。しかし現に、今、世界の子供たちを魅了しているアニメはほとんどが日本発なのだそうです。たとえば、「キャプテン翼」は世界中で放映されていて、世界の一流サッカー選手が小さいときに見ているそうです。それで自分は大きくなったらサッカー選手になろうと思ったということらしいです。子供のときに夢中になった世界は不滅ですからね。この一冊を読んで、日本人の特質、得意な才能というもののあり方が非常に良く分りました。さすがに著者の川口さんは奥様がアメリカ人でいらっしゃり、奥様からの視点や感覚の違いがあって、初めて客観的に日本というものをとらえなおすことが出来たのではないかと感じられました。 非常に面白い本でした。皆様もどうぞお読みになって、日本を再発見してくださいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.24 22:33:53
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