カテゴリ:「経済とお金」の本
~競争のない世界を創造する~ ランダムハウス講談社
戦略論の新スタンダードと帯に書いてありますがとても面白い内容でした。ブルー・オーシャンとは、血みどろの戦いが繰り広げられる市場から抜け出し誰も競争相手のいないまるで新しい青い海原のような市場を示しています。 世界のいくつかの事例をもとに進められますが、どのケースもとてもわかりやすく、なるほどと納得しました。 日本の企業ではNTTドコモのiモードと1000円カットのQBハウスの例が挙げられていました。競争の激しい既存のマーケットで戦うより、競争が意味を持たない未開拓の市場を作り出す方法。今までのブルー・オーシャンを作り出した企業は、もしかしたら、それぞれは偶然が生んだ産物だったのかもしれませんが、この本ではその事例を検証し、ブルー・オーシャンを生み出す方策を体系化しているので、非常に読む価値があるのです。なぜならブルー・オーシャンを見つけて新しい市場を悠々と歩き出す、トップを走る企業にすぐに二番手の企業は追いついてくるからです。ひとたびブルー・オーシャンを見つけたら、他が追随できない工夫が必要なのでしょうね。 NTTドコモのiモードはすでにケータイインタネットの市場がブルーではなくレッド・オーシャンとなっていて、ドコモには非常に厳しいこのごろです。そろそろ発売されてから10年になりますからね。iモードを生み出した夏野さんが今年やめられましたが、大変象徴的だなと思います。そういった意味でも、きちっと体系化することで、常にブルー・オーシャンを作ることが出来る企業体質が確立されなければならないということなのでしょう。ちょうどこの本を読み終わった頃、シルクドソレイユの日本公演のポスターが目につきました。新しいサーカスという舞台を作り出し、世界的に成功している例です。サーカスという斜陽産業でそれを成し遂げたという非常にいい例であるシルクドソレイユの公演をぜひ見てみたいものだと思います。 偶然ではなく、ずっとブルー・オーシャンを作り続けることができる企業であることが、今後の大きな課題なのでしょう。 とても面白い価値のある本でした。皆様もどうぞお読みになってみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.16 00:07:17
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