テーマ:本のある暮らし(3308)
カテゴリ: 「IT関連」の本
21世紀に入って10年がたちました。本の世界は今、大きく変わろうとしています。
Ipad、キンドルと、本がデータ化され、電子BOOkとして読めるデバイスがたくさん登場し、2010年、巷では「bookビジネス2.0」の時代と呼ばれ、大変な話題となっています。データ化された本は、インターネットという広い海に吸収され、出版業界も流通も大きく変わっていくことでしょう。はたして本は無くなる運命なのでしょうか。きっと本自体が無くなるということはないと思います。本はとても便利なものですし、電子データでずっと読むのも疲れますから、本で育ってきた私たち世代の大人は、リアルな本で読みたいという要求が無くなってしまうということはないでしょう。本の手触り、ページをめくっていく感覚は私たちの細胞の奥深くまで浸透しているように感じています。けれど、慣れというのも怖いもので、受け入れがたい変化を受け入れてしまうとあとは意外と速くなれてしまうものです。もしかしたら人間は本質的に変化を望んでいる動物なのかもしれません。 私はしばらくの間は電子書籍と本は共存していくのではないかと考えています。 たとえば、ケータイ小説は、ケータイというデバイスで読むだけでなく一度読んでしまった内容が本という形になったときにまた買う人が多いと聞きます。きっと、デバイスで読むのと本で読むということは、別の体験なのかもしれません。多くの本が電子書籍となり、消費されていくと思いますが、自分の好きな本、自分にとって価値のある本は、やはり本として買う、あるいは印刷して製本するというそんな文化に変わっていくのかなという気がしています。本の歴史を追っていくと、キリスト教の普及と同時に本が多く作られ、普及したと書いてあります。神の言葉であり法という人間にとって最も重要な言葉を伝えるものなので、価値が高く、長く保存されるべきものであったのです。大変重要な内容にふさわしい、美しく高貴な威厳のある本が作られていきました。製本の技術はイスラム文化圏でさらに花開き、コーランの普及と共に発展していきます。そして15世紀にグーテンブルグの印刷機ができ、本の世界はここでまた大きく変化していきます。印刷機の開発による変化は、今のインターネットが開発されたこととおなじようなインパクトがあったでしょう。この時から手で作られていた本の世界は激変したのです。しかし、今、印刷によって変わった本の世界はインターネットの発達により、さらに全く違ったものとして変容していく可能性があります。 本の歴史は、今新しい時代を迎え、これからどのように動いていくのか大変楽しみです。 私はインターネット・ケータイにまつわる仕事をしていますが、手作りの本、ノートなどを創ることが大好きです。ipad、キンドルなど電子書籍の文化のはじまりは、未来に何をもたらすでしょうか。一人の、本とインターネットに係る人間として、この時代の流れをしっかりと見据えていきたいと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.07 20:09:48
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