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カテゴリ:雑感
今日、東証のトップ人事についての記事が出ていました。
・東証社長に斉藤氏 最近では日興コーディアル上場維持の話題がありましたが、 少し前までは、取引所としての「東証システム」が話題でした。 誤発注対応問題や、 処理不足などで取引時間を制限したりしたわけですが、 NTTデータグループからCIOを立て、 暫定増強と次世代売買システム構築開始という対応をとっています。 この2009年後半の稼働を目指す「次世代売買システム」、 どこが開発するかというと、 18グループに及ぶ世界有力ベンダーの提案によるコンペを経て、 昨年12月、開発ベンダーが富士通に決まり、 結果的には今と変わりませんでした。 東証が次世代売買システムの要件として挙げたのは、 世界最高水準の高速性と信頼性、拡張性を確保すること。 その中で、求められた性能は、 現在約1~2秒かかっている注文に対する応答時間を10ミリ秒以内にする、 というもので、 これは東証の売買システム利用者に対して公約するそうです。 富士通は、これをすべてメモリ上で処理してクリアしようという方針です。 また、銘柄毎に処理サーバーを分け、 取引システムの全面ダウンを防止する仕組みを採用しています。 なので場合によっては、 銘柄Aは取引可能だが、銘柄Bは取引不可、 という状況になることもありえます。 (稼動時点では、東証で取り扱う約2500銘柄を、 取引量が均一になるように10強のグループに分割するそうです) 単純計算で、システム全体の処理能力は6億件超になり、 現行システムの処理能力は1日1400万件なので、 44倍の処理能力を提供できることになるようです。 あとは、前回は結局3ヶ月かかった能力増強作業を、 1週間程度で対応できるようにするそうです。 ちなみに大前研一氏は以前からいろいろと指摘をしています。 「産業突然死」の時代の人生論 第51回:東証にルール変更の兆しあり 『ちなみに東証程度のシステムなら我々の(採用されなかった)提案なら50億円くらいのものである。バックアップはほとんどカネが掛からない。世界中に強固な支援システムが出来上がっているからである。このシステムは現在世界最強最速のOMXのシステムである。北欧の取引所を起点として世界中65カ所で稼働しているものだ。米国のオプション市場で急成長しているISE、アジアではオーストラリア、シンガポール、香港、韓国など日本以外の主要な市場ではみな使われている。 取引所のシステムは今やパッケージソリューションの時代なのである。いちいち大型コンピューターで500億円もかけて、しかも3年後(2009年)に稼働、なんてやる代物ではない。しかも今は次の世代のものが世界中で開発されており、3年後に東証の新システムができるころには、世界標準では処理スピードも数桁向上するだろうし、また一つのシステムで現物株だけではなく、オプションやデリバティブ、コモディティーまでも取り扱えるようになっているだろう。銘柄数の多い個別株オプションを取り扱うとなれば現物株の動きに呼応して連続的に気配値を出せる高性能なシステムがなくてはならない。 日本の取引所がこうしたことに対応できなければ、シンガポールやシカゴ(CME)が外から鞘取りするだろう。現に大証の出している日経225などの派生商品では日によっては半分近い取引が外国の取引所で執行されている。東証の西室会長もピンチヒッターでこうした局面に立たされて気の毒ではあるが、ここは担当者任せではなく、自分の目で世界のシステムを見て歩くべきだ。NTTデータからシステム担当のCIOを採用した、と新聞には出ているが、NTTデータにはそうした取引所のシステムを構築した経験はない。第一、取引所の経営というのは技術(テクノロジー)その物なのだ。だからCEO=CIOでなくては経営することなどできない。 』 2年以上先の話なので、その時にどうなっているかは分かりませんが、 世界の金融市場で、恥ずかしくないシステムにしてほしいと思います。 ・特集:東証システム問題 ・「最高水準のシステムで魅力ある市場を創る」東証の鈴木義伯CIOが講演 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/03/27 08:07:03 PM
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