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2月3日東京18時22分、赤坂プリンスホテルの17階の部屋より。今でこそ幾つものスノビッシュなホテルが都内に建ち並んでいるが、ここは過去一世を風靡したホテルだけあり眼下を望む眺望はさすがに気分がいい。部屋の広さも十分確保されている。このまま外に足を伸ばさずともこの部屋で朝まで過ごしてもいいな..という気分。昨夜も朝方まで知人社長T氏と酒を酌み交わしていた。加えて日々のハードワークで私の心と体は限界ギリギリ。ただ寝るだけならビジネスホテルで十分事は足りる。せめてものご褒美、そこそこのホテルに泊まることは許されよう。19時より友人と落ち合うはずだったのだが急遽彼に用事が入り、私の予定がすっぽり空いてしまった。他の人間を呼び出して夜の街に繰り出してもいいが、なぜか今日は独りでいたい気分。後で酒でも買い込みホテルの部屋で独り飲ろう..男(いや、女も)は時々独りになることは大切なのだ。
日々のしかかることを体で受け止め、疲れ果て、そして眠る。私の場合はこの繰り返しと言っても過言ではない。何を求めてこんなに走っているのだろう?自分でも良く解らない。大切な何かがいつも指の隙間から滑り落ちているような暮らしぶり。 赤プリには5ヶ月前過去の人物となった事務所前の道を歩いてやって来た。信じて交流をしてきた人物である。彼のビジネスに可能性を感じ、自分なりにプランを描き、3年間の月日を費やしてリスクを賭けそれを遂行した。だが夢と成果が掴めそうな目前に彼からの裏切り。どうにもならない過去のこと。ある意味崩れ落ちて良かったのだとも思う。彼の事務所前の街並みは何一つ変わらない。私の暮らしと心だけが静かに変わった。そのことに戸惑う自分。だが全ては流れている。何一つ留まるものなどこの世の中には何もないのだ。 自分で仕事を行うようになり多くの人達と出逢った。多くの人達が私から過ぎ去り、私自身も多くの人達の前から過ぎ去った。多くの魅力ある人物とも出逢い、多くの素敵な女性達とも出逢った。毎日がお祭りのような日々。8年間続いた。膨張拡大を繰り広げた私の第一ステージの幕が下りた。今の私に残っているのは燃えカスなのだろうか.. 見慣れた街並みや景色はそのままでも確実に第二幕が始まっている。36歳、もう若くはない年齢にはなってしまったが、第二幕は、第一幕とは違う人間劇を演じていこう。また多くの人達と出逢うだろう。 夕食を一人で食べるのも味気ない。数人に連絡をしてみる。今夜に限って誰もつかまらない。1年に1、2度の珍しい夜。独り街に出てみる。有楽町線で銀座に向かう。食べるならしんみりラーメンだ。私の好きなラーメン屋に向かう。時計に目をやる。まだまだ夜は若い。一瞬クラブにでも飲みに行こうかと頭を過ぎる。だが数時間気分を良くしてもらうだけで7、8万円払う気分に今宵はなれない。酒を買い込みホテルに戻ることにする。東京湾というルポルタージュ本を買い込んだ。ソファに寝転び、本と夜景を眺めながらの独酌。悪くはないな.. 東京駅、朝。「グリーンシートも株式店頭公開並に活発になるそうだよ」。どこかのビジネスマンが語っている。3月、私が監査役をしている会社もグリーンシートに登録になる予定だ。私はコートの襟を立て静岡に向かった。冬 NOZAKI KEN お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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