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名古屋にニつある事務所のうち、築30年をくだらない公団分譲マンション最上階の事務所にいる。
ここは事務所というよりアジトというほうが似合っている、そんな部屋である。 夕方18時、窓の外からは太陽からの黄昏の光が差し込んでいる。 私はこの時間帯が好きである。闇に変わるにはまだまだの時間、 しかし、今日一日がぼんやりとその存在を終えてゆくことを認識させる時間帯・・。 今日の私はついていなかった。朝、かなりの振込をさばこうと銀行に向かったまではいいが、多くの振込を行う私に背後の声。「まだ終わらないの、待ってるんだけど!!」。その声に、すんなり譲ったまではいいが、私も次の予定を急いだため慌てて会社の通帳とキャッシュカードをATMに忘れてしまった。気がついたのはその30分後・・。 多くのいらつきの声、時間に余裕の無い私の生活、人間の頭の処理能力など、いとも簡単にフリーズしてしまう。 昨日は現ビジネスで事業観の違いが露呈し、そのまま自分の感情を抑え込んで眠った。人と自分は違う、あたりまえのことである。私は自分論で生きる人間である。だからこそ自分でビジネスを行う道を10年前から選択している。今の私は一体どこに向かっているのだろう。そんなことを考えはじめるともういけない。飼いならしている獣が頭を擡げてくる。自分を落ち着かせねば・・。今日は自ら仕事を放棄した。そして、付き合いの長いビジネスパートナーの車に乗り込み、彼が向かう先に便乗させてもらった。 車に乗り込んでも分刻みに携帯が鳴り響く。もちろん私は平静を装う。 ビジネスマンとして相応しい声のトーンで応対をこなし続ける・・。 こんな日に限って、普段はあまり電話をしてこない連中から立て続けに連絡が入る。 その中に1件の苦痛の声、聞けば手形が落ちないという。つまり、お金を貸して欲しいという悲痛の声。今回でもう3回目である。そのうちの1つはまだ返してもらっていない。さてどうするか・・。 こんなときに自分自身が試される。私とて以前のような金もない。返してもらえないならそれまでのこと、15分後に彼の口座に入金をした。 まだ私の獣は落ち着いていない。車から降り、今度はスターバックスで休憩を取った。抹茶フラペチーノを思いっきりこぼす。やはり今日はどこか壊れている。 基本に戻ろう。自分が自分として存在し続けるために・・。 夕暮れの太陽が優しく見える。 私の獣も少しはおとなしくなってきたようだ。 そんな今日が暮れていく。 KEN NOZAKI お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.05.10 18:17:37
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