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2007年03月13日
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カテゴリ:気づき
「パパラギ」という本は、100年近く前、南国サモアの酋長ツイアビが文明社会を旅し、
鋭い観察力で見て感じたことを自分の国の人々に講演した講演集です。
「パパラギ」はその時のヨーロッパ人(文明人)を表します。
古本屋行きをまぬがれ本棚で20年間眠っていて、茶色に変色していましたがついに再読。
かなりなブラックユーモアにも聞こえますが、実に的をついています。
今やパパラギになった日本~。お勧めの本です。

一部抜粋

●パパラギの身体を覆う腰布とむしろについて(洋服のこと)
若者が娘を妻にしようと思っても、からだを見せてもらえない。だから若者にはその娘が本当に娘かどうなのかわからない。…肉は罪とパパラギはよく言う。…それゆえパパラギのからだは腰みのや皮でしっかり包まれている。どんな光も入ることはできない。…だから…パパラギのからだはやつれて青白い。……足は巻貝のように固い殻の中にある。この足皮を日の出から日の入りまではき続け……足はもう死にかけていて、いやな臭いがしはじめている。足はもう物をつかむこともできず、ヤシの木に登ることだってできない。


●石の箱(住宅)について
たいていの小屋には、サモアの1つの村くらいたくさんの人間が住んでいる。だから訪ねようとするアイガ(家族)の名前は正確に覚えていなければならい。それぞれのアイガは壁1枚をへだてて隣りあっているにもかかわらず、普通、他の家のことはまったく何も知らない。……それぞれの箱をパパラギは「部屋」と呼ぶのだが……サモアの小屋に吹くような新鮮な風はどこからも入ってこない。このような箱の中でサモア人ならすぐに窒息するだろう。……


●丸い金属と重たい紙について(お金)
神の愛についてヨーロッパ人に話してみるがよい。顔をしかめて苦笑いするだけだ。ところがぴかぴか光る丸い形の金属か、大きい重たい紙を渡してみるがよい。とたんに目は輝き、唇からはたっぷりよだれが垂れる。お金が彼の愛であり、金こそ彼の神様である。……おまえたちのだれも白人の国ではお金なしには生きていけない。ほんの1日も。お金がなければ飢えも乾きもしずめることはできない。夜になってもむしろもない。お金がないというだけでおまえはファーレ・プイ・プイ(牢屋、刑務所)に入れられてしまうし、束になった紙(新聞)にも名前を出されてしまう。


●たくさんの物がパパラギを貧しくしている
見回して見なさい、遠く、空と海がひとつになる所まで。すべては大いなる物に満ちあふれているではないか。野鳥やおうむたちの住む原始林、海の動物の住む入り江。……どうしてそれらの物の上に、愚かにもそれ以上の物を作らなければならないのか。大いなる心が造った気高いたくさんの物の上に。……
物がたくさんなくては暮らしていけないのは、貧しいからだ。大いなる心によって造られたものが乏しいからだ。……彼らは物を作らねばならぬ。彼らは物を見張らねばならぬ。……


●パパラギにはひまがない
パパラギはいつも時間に不満足だから、大いなる心に向かって不平を言う「どうしてもっと時間をくれないのです」……彼は日々の新しい1日を、がっちり決めた計画で小さく分けて粉々にすることで、神と神の大きな知恵をけがしてしまう。彼は1日を切り刻む。切り刻まれた時間には名前がついている。秒、分、時。……
ヨーロッパの町では、時間のひと区切りが回ってくると、恐ろしいうなり声や叫びが起こる。(鐘の音)時間のこの叫びが響きわたると、パパラギは嘆く。「ああ、何ということだ。もう1時間が過ぎてしまった」……また新しい1時間が始まっているというのに。これは重い病気だと考えるしか、私には理解しようがなかった。


●パパラギが神様を貧しくした
とにかく、神様はもうほとんど何も持っていない。人間がみんな盗んでしまって、おれのものとおまえのものとに分けてしまった。……あふれるほどの食べ物があり食べきれないほどでも、食べる物なく飢えて青ざめた人を探しに行こうとしない。……熟したヤシは自然に葉を落とし、実を落とす。パパラギは葉も実も落とすまいとするヤシの木のように生きている。「これはおれのものだ!取っちゃいけない!食べちゃいけない!」どうすればヤシは新しい実を結ぶか。ヤシはパパラギよりもずっとかしこい。


●大いなる心は機械よりも強い
……もし私がぶらぶら歩いて行くとすると、いろんなものも見物できるし、友達も私に声をかけて、家の中へ呼んでくれるだろう。目的地に早く着くことが、たいした得になるわけではない。……パパラギはいつでも早く着くことだけを考えている。彼らの機械の大部分は目的に早く着くことだけがねらいである。……こうしてパパラギは一生休みなしに駆け続ける。


●パパラギの職業について
職業を持つとは、いつでもひとつのこと、同じことをくり返すという意味である。目をつぶっていても、緊張なしでもできるまで何回もそれをくり返す。たとえば私が自分で小屋を作るか、むしろを編むほか、何も仕事をしないとする。すると私の職業は小屋作り、あるいはむしろ編みということになる。……パパラギがもし後になってむしろ編みより小屋を作っていたほうがよかったと考えると、こう言われる「あの人は職業をあやまった」射ちそこなった、というのと同じ意味だろう。


●考えるという重い病気
パパラギの生き方は、サバイまで舟で行くのに、岸を離れるとすぐ着くのに時間はどのくらいかかるかと考える男に似てると言えるだろう。彼は考える。だが舟旅のあいだ中、まわりに広がる美しい景色を見ようとしない。……また新しい考えが彼を悩ます。「夕方までに嵐になるのじゃないか」彼は晴れた空に黒雲をさがす。来るかもしれない嵐について思いわずらう。嵐は来ず、夕方無事サバイに着く。ところがこれでは旅行しなかったのと同然だ。なぜなら彼の思いはいつも彼のからだを離れ、舟を離れて遠くにあったのだから。これならウポルの自分の小屋に寝ていたのと変わらない。


パパラギの考えること全ては良かろうと悪かろうとみな同じように、白いむしろ(紙)の上へ投げ出されるのである。パパラギは「思考が印刷される」と言う。……これらの思想を受け入れたものは、みな、やがて同じ病気をうつされるのだが、だれでもこの思想のむしろを甘いバナナのようにむさぼり食う。……同じようにして子供たちの頭にも、詰め込めるだけの思想が押し込まれる。……このことを「教育する」といい、このような頭の混乱が続く状態を「教養」と呼び、それが国中に行きわたっている。
云々……

シュタイナーの本を四苦八苦して読んだ直後、
このパパラギを一気に再読しただけありインパクトがありました~。






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Last updated  2012年04月10日 22時10分59秒
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