信じらんな~い姑の話 1
電話が鳴った。姑からだった。「操子さん。明日、うちのが退院するって言うから迎えに行ってね。午前中に。お願いね」 と、形だけは『お願い』と言う言葉を使ってはいるが、「あんたがやるのが当たり前!」と言う事だ。こちらの予定は何も考えていない。一度でも「明日の予定はどうなってるの?」なんて言葉は聞いたことがない。いつも「やってね。行ってね。」だ。いい加減にしてもらいたいが、舅は、私には良くしてくれている。車は「自由に使っていいよ。」とか、「送ってきてくれたからこれは、タクシー代のかわりだ。」と、行って現金を手渡してくれる。他にもいろいろと気を配ってくれているので舅のことは、姑に頼まれなくてもできることはしてあげたいと思っていたので、翌日は、子供を幼稚園に送ってから舅を迎えに行った。ちなみに、病院は私鉄で2駅、目と鼻の先だった。車の免許を持たない姑が一人で迎えに行くのがいやなのは仕方ないが、その日の朝、私が、 「お義母さん。お義父さんを迎えに行きますよ。」と、声をかけたら 「はい。行ってらっしゃい」と、自分は行く気が全くない。 (看護婦さんや、先生への挨拶もあるのに・・・。どうして自分の旦那の退院を迎えに行かないかな・・・。) 仕方なく舅を病院に私一人で迎えに行くと、会計も看護婦さんたちへの挨拶も全て自分で済ませた舅は、病室で一人迎えを待っていた。私の顔を見ると、 「うちのは?」と、聞いた。「家ですよ。」「冷たいからなあ」と、ぼそっと言っていたのを私は、忘れられない。昼を食べて帰ろうと、言う舅を、「子供が、昼に帰ってきてしまうから。」と、言ってまっすぐ家に帰ってきてみると、姑は、友人をよんで手芸教室をしていて、自分達の」お昼は、出前でとっている。私の分はともかく舅の分もない。あきれていたら、お茶を入れに降りてきた姑は、自分達のお茶だけ入れるさっさと戻って行った。見るとキッチンのカウンターの上にサトウの切り餅と封を切っていないきな粉がのっている。(ああ、これを食べろということか・・・。かわいそうに。退院してきて美味しいものが食べたいだろうに・・・)と、思っていると、 「操子さん、悪いけどお寿司でも買ってきてくれないか。」と、声がかかった。『来たな』「はーい」私がその日のお昼、言うまでもなくお寿司を頂きました。