昨日、以前から約束をしていた、友人が経営している会社を訪問しました。
約束していた時間を少し過ぎてしまったのですが
会社に到着すると友人はまだ来ていませんでした。
会社の中で待たせてもらっていると、それから10分後に
友人は携帯でなにやら忙しそうに話をしながら、やってきました。
「ゴメン、待たせて申し訳ないね。いや～、大変なことになっちゃってさぁ。」
皆さん、もう既にご存知と思いますが
消費期限切れの牛乳を使ってシュー・クリームを作って出荷してしまった
不二家の洋菓子を販売する店を、彼はフランチャイズで展開しているのです。
私も昨日の朝刊を読んで、そのニュースは知っていたのですが
まだその時点では、それほど大事にはなっていませんでした。
でも彼が家を出た時に、不二家から携帯に電話があって
本日から1週間程度は店を閉めてほしいという要請があったそうで
彼も急な事態に、どのように対応したらいいのか困っている様子。
実際、不二家もフランチャイズのオーナーには連絡を入れていたようですが
現場の店舗には指示が行き届いていないようで
友人も「オーナーへの対応は後でじっくりする、と連絡を入れるだけにして
販売休止にするなら、まずは店舗へ対応策を指示するのが先じゃないのか？」
と、不二家に対して憤っているようでした。
昨日初めて知ったのですが
不二家は全国で97の直営店に対しフランチャイズ店が701あるそうで
直営はまだしも、これだけ多くのフランチャイズ店があると
販売休止中の損失補償をしなければならないでしょうから
休止期間が長引くと、かなり深刻なダメージを受けるでしょう。
この事実を不二家が把握した後、不二家社内で緘口令を敷く際
引き合いに出した『雪印乳業』の教訓が全く生かされなかったのは
やはり老舗で、創業した藤井家が今も代表を務める
会社の同族体質による甘えの構造があったからなのでしょうか？
先月、経営悪化していた不二家の子会社で、外食を手がける不二家フードサービスを
みずほ証券系のファンド会社と組み、分社化することで
経営の建て直しが期待されたばかりだったのに
決算報告書を見る限り、資金が潤沢にあるわけでもなく
これでは、恐れた『雪印乳業』のように
自主再建は不可能となることは避けられないかもしれません。
しかし、日本の消費者は世界の中でも厳しさではトップ・クラスだと
良く言われているようですが
最近、食品だけに限らず、車や電気製品を製造する企業側で
安全性に配慮を欠いたような不祥事が多くなってきたのは
安全性よりも、むしろ会社のコストを削減し利益を重視する風潮の影響でしょうか？
もちろん、会社というのは利益を上げ、株主にそれを還元するのが大事で
会社に対する評価も決算書やキャッシュフローなどの具体的な数値によって
判断されるのは仕方ないと思いますが
もっと環境や安全への対応がもっと評価され
理想を言えば、決算書のように何かの指標で
具体的に分かりやすく示されると良いのに…と思います。
不二家もまだ雪印乳業のように食中毒にならずに良かったのかもしれませんが
失われた信用を回復するのは並大抵のことじゃとても困難です。
外部の血を入れるなど、厳しく企業体質の改革を断行して
せっかく企業の顔となるブランドを持っているのですから
今後はこのような不祥事を起さない、良い企業に生まれ変わってほしいものです。
友人もきっとそれを願っているでしょうから。。。
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