アヤノブの部屋

長期母乳栄養は知能を高くするって！？

スカンジナビアでは，ほぼ100%母乳栄養から始まるそうで，6ヶ月を超えても母乳栄養が多いとのこと。
そんなスカンジナビアの小児とその母親345症例を対象として13ヶ月と5年後に知能テスト，運動テストを行い，母乳栄養の期間によって発達に影響があるかを研究報告では，

月齢13ヶ月で，精神的発達をBayley Scales of Infant Development (BSID)で評価し，母親にアンケート調査を行なった。
また，5歳時に, 知的発達をテスト（Wechsler Preschool and Primary Scales of Intelligence (WPPSI-R)と paediatrician used the Peabody Developmental Motor Scales (PDMS)）で評価し，運動能力を評価するため小児科医がPeabody Developmental Motor Scales (PDMS)を行なった。

結果は？

6ヵ月以上母乳栄養を行なった小児では月齢13ヵ月と5歳時の知能テストで、母乳栄養が3ヵ月以下の小児よりスコアが高かった。
母親の年齢、知能、教育、喫煙などの因子を調整後も母乳栄養期間によってスケールが高くなる。
また，母乳栄養期間と運動能力に関連はなかった。
この報告では，人乳は、長鎖高度不飽和脂肪酸、特にdocosahexaenoicとアラキドン酸の高い含有量を持ち，これらの脂肪酸が知能発達の人乳による栄養の有益な効果と説明している。

（参考：N K Angelsen,et al：Breast feeding and cognitive development at age 1 and 5 years, Arch Dis Child 2001;85:183-188.）
（http://adc.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/85/3/183）

母乳って知能に影響するのですね。この報告の中では，母と母乳栄養の小児を結ぶ強い絆によっても小児の認知的発育が促されるとコメントもありました。

では，5歳じゃなくてもうちょっと大人になったらどうでしょうか？

2002年で報告された，コペンハーゲンで生まれた，男女973人と男性2280人を対象に調査では，
母乳栄養の継続期間は、知能テストのスコアは相関していた。としていました。

（参考：Erik Lykke Mortensen,et al：The Association Between Duration of Breastfeeding and Adult Intelligence，JAMA. 2002;287:2365-2371.）
（http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/287/18/2365）

じゃあどのくらい母乳保育していればいいのかなあ
という疑問がわきますが，

2002年にWHOとユニセフが発表した「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」では，
母親が月齢６ヵ月までは母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も２歳、あるいはそれ以降も離乳食を与えながら母乳栄養を続けられるように支援を受けられるようにしましょうとしています。
（参考：Global Strategy for Infant and Young Child Feeding）
（http://www.who.int/child-adolescent-health/publications/NUTRITION/IYCF_GS.htm）

ママに話したら乳首がちぎれるから期待しないようにと言われました。6ヶ月でも続けるのは大変なことで，2年間の母乳栄養を続けることはどんな困難が待ち受けているか予測不能ですね。周りの人間も支援しろとのことでしたが，まだまだ社会は追いついていないかなあというのが率直に感じたことでした。なにしろママが臨月になって母乳の効果を初めて知りましたからね。情報が少なすぎますよね。
まあ，可能な限り支えてあげなくちゃだわ

さて，先週は名古屋でセミナーがありまして，最近では家事手伝いの主夫業も一部行ないながらなので，セミナー準備追いつかず名古屋入りして，みんなで飲みにいって，深夜に帰ってきてからパワーポイント直したり作り始めたりで，仕事に復帰してもボケっとしてしばらくブログはおさぼりしちゃいました。また，ぼちぼち書いていきます。
今度は名前考えなくちゃですね。いよいよ予定日まで一週間切りました。ママがんばれ！

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