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カテゴリ:おやじの子育て
最近,子どもの宿題の量が増えていると感じたことありませんか?
なぎ207さんの日記で話題になっていまして、うちでも宿題や自主学習に追われている。 もしかして学力低下とか叫ばれて久しいので、こういう方向性なわけかしらと調べることにしてみました。 学力低下していると感じる? まずは保護者の方の調査から gooリサーチ,NTTレゾナント株式会社:「子どもの学力状況」に関する調査結果から 調査期間: 平成18年6月23日(金)~平成18年6月27日(火) 子どもを持つ親1,736名に対するアンケート調査 自分の子ども時代と子どもとで学力は低下したか 「非常に低下した」「低下した」を合わせると43.9%。 一方、「さほど低下していない」、「まったく低下していない」は47.7%と二分する結果。 子どもの学力が低下する理由は ゆとり教育の導入が65.6%、学習内容の質の低下が約半数、教師の質の低下も4割以上。 ゆとり教育導入の問題点は 「学習内容の削減」、「授業時間数の削減」など、学習量の減少によるとの指摘が圧倒的に多い。また、子ども同士の接点の減少により競争心、自立性の欠如によるとの指摘も少なくない。 学校教育制度に対する今後の期待は 「学習内容の見直し」、「教員の質の向上」 今後の学校教育制度に何を期待するか「学習内容の見直し」が61.2%と最も多く、次いで「教員の質の向上」が53.5%と続く。 (参考:gooリサーチ,NTTレゾナント株式会社:「子どもの学力状況」に関する調査結果,平成18年8月18日) (http://research.goo.ne.jp/Result/000330/) ということで、学力は自分のときと比べて半分の人は低下、残り半数は低下していないと二極化しているみたいですね。 低下の理由は、ゆとり教育が主な原因(6割)で、学習内容の質の低下(学習内容・時間の削減)、教師の質の低下とのこと。 では、学校側はどう考えているか 小・中学校の校長先生の調査から COEの活動と校長調査.第5回基礎学力シンポジウム(2006年度),2006年8月29日から 全国の小中学校の1万校を対象に校長にアンケート調査を2006年7月に実施し約4割の回答を得たもの 20年間と比べた教育の状況は? 子どもの学力 中学校:良くなった7.2%,変わらない35.9%,悪くなった56.9% 小学校:良くなった12.3%,変わらない45.3%,悪くなった42.4% 家庭の教育力 中学校:良くなった1.7%,変わらない9.3%,悪くなった89.0% 小学校:良くなった1.7%,変わらない7.4%,悪くなった90.8% 教師の指導力 中学校:良くなった19.7%,変わらない53.9%,悪くなった26.5% 小学校:良くなった20.5%,変わらない52.1%,悪くなった27.4% 教育の障害になっている要因は? 家庭での基本的なしつけが欠如 中学校:深刻でない0.9%,あまり深刻でない9.0%,やや深刻48.8%,きわめて深刻41.3% 小学校:深刻でない0.4%,あまり深刻でない9.0%,やや深刻52.6%,きわめて深刻37.9% 教員の指導力が不十分 中学校:深刻でない8.5%,あまり深刻でない47.1%,やや深刻37.2%,きわめて深刻7.2% 小学校:深刻でない11.1%,あまり深刻でない48.8%,やや深刻34.1%,きわめて深刻5.9% ゆとり教育は再考すべきだ 中学校:強くそう思う20.2%,そう思う45.1%,そう思わない31.7%,全くそう思わない3.0% 小学校:強くそう思う13.3%,そう思う42.1%,そう思わない40.2%,全くそう思わない4.4% 将来への見通し 学力の低下が進むと思うか? 中学校:強くそう思う10.0%,そう思う44.3%,全くそう思わない44.9% 小学校:強くそう思う6.6%,そう思う39.9%,全くそう思わない52.5% 子どもの間の学力の格差が広がる? 中学校:強くそう思う32.3%,そう思う57.5%,全くそう思わない10.1% 小学校:強くそう思う25.7%,そう思う61.5%,全くそう思わない12.7% 公立学校と私立学校の格差が広がる? 中学校:強くそう思う23.1%,そう思う53.9%,全くそう思わない22.7% 小学校:強くそう思う17.6%,そう思う58.4%,全くそう思わない23.7% (参考:金子 元久(東京大学教授・基礎学力研究開発センター長):COEの活動と校長調査,第5回 基礎学力シンポジウム(2006年度)) (http://www.p.u-tokyo.ac.jp/coe/sympopaper/kaneko2006.pdf) 校長先生方は、昔に比べ学力は低下しているが、家庭内のしつけ、教育力が悪くなっていて、教師の質は変わらない。今後、子ども間の学力格差は広がり、特に公立学校と私立学校で差が広がりそうという感じですかね。 では、家庭内の教育力は低下しているのか? 全国都道府県教育長協議会:これからの家庭教育支援の在り方についてから 全国都道府県及び第2部会を構成する10 都道県内の全市区町村を対象に調査を実施したもので、回答は全都道府県及び684 市区町村(全市区町村数699)。 家庭の教育力低下の状況は? 都道府県:さほど低下していない0%,深刻ではないが低下している40.4%,著しく低下している57.5% 市区町村:さほど低下していない7.9%,深刻ではないが低下している67.4%,著しく低下している20.3% 家庭の教育力低下の理由は? 親の過保護や過干渉 都道府県 50.0%,市区町村 49.0% 親の無関心 都道府県 45.7%,市町区村 38.2% 親自身の体験の不足 都道府県47.8% ,市区町村 46.3% 仕事を持つ親の増加 都道府県15.2% ,市区町村 43.2% 父親の存在感の低下 都道府県52.2%,市区町村 22.5% 教育・しつけに自信を失っている親の増加 都道府県63.0%,市区町村 31.8% 学校等への教育・しつけの依存 都道府県39.1% ,市区町村 63.0% 核家族化 都道府県58.7% ,市区町村 49.0% 地域(住民)との関係の希薄化 都道府県 91.3% ,市区町村 62.5% 家庭教育に関して現在進めている重点的な取組は 他部局、NPO等、企業、学校等と連携した取組 都道府県 68.1% ,市区町村 42.8% 子育て、家庭教育に関する相談事業 都道府県 76.6%,市区町村 39.6% IT を活用した家庭教育支援 都道府県 17.0%,市区町村 1.2% 学習機会の拡充 都道府県 76.6%,市区町村 68.6% 指導者、子育てサポーター等の育成 都道府県 61.7%,市区町村 19.6% 父親の家庭教育への参加の促進 都道府県 68.1%,市区町村 17.7% 家庭教育フォーラムなど啓発事業の実施 都道府県 51.1%,市区町村 19.6% 家庭教育に関する取組の対象は? 乳・幼児を持つ保護者 都道府県 80.9%,市区町村 80.0% 小学校低学年(1~3年生)を持つ保護者 都道府県 83.0%,市区町村 78.5% 小学校高学年(4~6年生)を持つ保護者 都道府県 74.5%,市区町村 61.1% 中学生を持つ保護者 都道府県 53.2%,市区町村 41.7% 高校生を持つ保護者 都道府県 21.3%,市区町村 4.4% と続く (参考:全国都道府県教育長協議会:これからの家庭教育支援の在り方について,平成18年3月) (http://www.kyoi-ren.gr.jp/report/houkokusyo.html) ということで、家庭内の教育力は低下している。教育力に向上の取り組みは、乳幼児から中学生までを対象としていて、子育ての関心や取り組みに対してサポート体制をとっていくというところでしょうかね。 そんなに学力を上げても進学してもはたして役に立つのか?と素朴な疑問も浮かびます。 内閣府:平成18年度年次経済財政報告,平成18年7月から 第2節 職業能力の取得という観点から見た人間力強化に向けた課題 大学などへの進学率は長期的に上昇傾向にある。 大学などを含む高等教育機関全体でみると約75%にも達しており、4人のうち3人はなんらかの高等教育を受ける時代。一方で、大学進学及び大学教育にかかる費用は年々増加傾向にあることや大学に進学することが一般的になってきたこともあって、大学教育の投資収益率は低下傾向にあると言われている。同国民生活白書によれば、大学教育にかけた費用(大学に進学したことにより得ることができなかった4年間の所得も含む)が就職後、高卒者との賃金差として戻ってくると考えた場合の大学教育の投資収益率は近年低下傾向にあり、1960年生まれ、65年生まれ、70年生まれ、75年生まれの人の大学教育の投資収益率をみると、6.0%、6.1%、6.0%、5.7%と低下傾向にあるとされている。 (参考:内閣府:平成18年度年次経済財政報告,平成18年7月) (http://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#nihonkeizai) 賃金では、大学進学は所得は高いがそれまでの教育費を考えると投資収益率が下がってきているとのこと。少子化でみんなが大学進学したらスタートラインは同じですものね。 学力というより人間性を豊かにして欲しいですね。 ところで、学力の低下は学校関係者はおおむね家庭内教育力の低下としていましたが、それが宿題に跳ね返るとは突拍子もないですね。まあ学力調査などもよく行っているようで学校としては、成績が良いとおおむね保護者は文句を言わないと考えているのかも・・・・ (参考:小・中・高校教育に関すること(全国的な学力調査について)-文部科学省) (http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/index.htm) ということは、親の参加を呼びかけ、家庭内の教育に関心付けるために、宿題のマルつけや、自主学習を見なさいという目的で、宿題や課題など多く出している?ということかしら? 結局いろいろ調べたら、家庭内の教育力の勉強しちゃいました。思わず思惑にはまってしまったかも。硬い文書をずっと読みすぎて疲れちゃいました。 それにしても、教師の質についてはあまり調査や検討されていないようなので、もうちょっと調査して欲しいですね。 今日はキッチリ一万字です。 ↑役に立ったり、面白かったらクリックしてね。byアヤノブ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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