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今年もエイブルアート・アワードの入賞者の展覧会支援部門の入選展が開催される時期となりました。
今年の受賞者は 東 美名子さん(23歳) 「生と死」というテーマと向き合ってアクリル画の制作をなさっています。 今年は私も選考会に立ち会わせていただけたのですが 入賞枠が1名のところ 昨年は3名の方が 今年は2名の方が最終選考に残り、大激戦の結果、東さんに決定しました。 美名子さんはダウン症ですが、絵を見る限りとてもダウン症とは思えない絵を描かれます。 沖縄や広島に強い関心を持ち、通うアトリエで「アフガニスタン」のテーマが出されたとき 彼女は頭を抱えて震え出し、「ヒロシマを描く!」と言いながら赤黒い炎に覆われる人間の絵を描きました。 16歳の時に訪れた沖縄では「ひめゆり部隊」の資料集を買い求め、宿で読み続け、 翌年、暗闇の中に浮かぶ篝火を描いた作品で第15回現代日本絵画展に入選。 2003年には世田谷美術館で開催された障害者アートをテーマにした企画展 「カレイド・スコープ展」のアーティストの一人に選ばれています。 私が彼女の絵を初めてみたのはその「カレイド・スコープ展」でした。 そのときはさくら祭りを通じて まさかこういう係わりが出来てくるとは思ってもいなかったのですが なんだか御縁を感じますね~。。。 私が大好きな斎藤勝利さんの絵にお会いしたのも この「カレイド・スコープ展」でしたし。。。 そのときの彼女の絵の印象は正直いってあまりありませんでした。 おそらくこの数年で、かなり画風も変わり腕も上げられたのだと思います。 今年の11月、彼女の所属するアトリエの作品展を見に行ったとき 正直ぶっとびました。 私もこの一年間 障害者アートの取材を続けてきて 絵を見ると「あ、この人は精神の方だな」とか 「知的障害の方の絵だな」ぐらいはわかるようになったのですが 彼女の絵にはそういったいわゆる障害者アートと 呼ばれる画風とはまったく違い、いわゆる健常者が描いたとしか思えない深さがあったのです。 2003年のころには 彼女の絵にはそういった障害者アート特有の画風というか色使いがあったように 思います。 「子供のような」とか「ピュアな」というような言葉で言い表されるその画風ですが 今の彼女の絵にはそれが見当たりません。 大人の感性を持ち 大人が描いた絵なのです。 私たち人間は誰でも普遍的に死への不安や恐怖といったものを抱えていると思うのですが 彼女の描きだす世界は そういった魂の深い暗闇の部分に強く訴えかけるものがあります。 天才というのは 障害があるとかないとかは関係なく神様がくれるものなのだよ と、世田谷美術館の学芸員でもあり このアワードの選考委員のお一人でいらっしゃる 高橋直裕さんはよくおっしゃいますが まさにそのとおりだと思いました。 今朝の読売新聞の都民版にも大きく取り上げられていましたが 今後が楽しみな作家さんです。 ぜひ 皆さん応援してあげてください。 第10回エイブル・アート・アワード展覧会支援部門入選展 「東 美名子展」 12月22日(月)~27日(土)於:ガレリア・グラフィカbis 入場無料 東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル1F Tel. 03-5550-1335 FAX. 03-5550-1336 http://www.ableart.org/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 17, 2008 03:57:37 PM
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