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カテゴリ:雑記
今日、坂東三津五郎さんのことが書かれた記事を読みました。
歌舞伎役者でなおかつ坂東流の家元でもあるお家に生まれ いずれ三津五郎という大きな名前を世襲するという役目がご本人の意志とは関係なく それが当たり前の中で育ち、アルバイトもしたことがない三津五郎さんは とても順調に役者さんの道を歩んでこられたわけですが 歌舞伎の世界だけでなく新劇の俳優さんたちとのお仕事をするようになったとき 役者になるために夜も昼もアルバイトをして必死に頑張ってきた彼らと比べて 自分は苦労が足らないのではないか こんなひ弱な自分がその家に生まれたというだけで 大役者であった三津五郎という大きな名前を継いでいいものなのかどうか すごく悩んだそうです。 そんなある日 映画の仕事で馬に乗ることになり 映画に出演する馬を育てている方とお話をしたときに その人が「馬は3代かけてようやく芝居のできる馬になる」とおっしゃったそうです。 一代目の馬は どんなにお利口な馬であっても 撮影中に乗っている役者さんを落としてしまったり カメラの前での指示ができなかったりと どんなに仕込んでもそういうことが起こってしまうのだそうですが その子供になると だいぶ改善される、そして三代目でようやく芝居のできる馬になる それぐらい時間のかかるものなのだそうです。 それを聞いた時三津五郎さんは「そうか 三津五郎という役者はまだ完成していなくて、このあともさらに何代もかけて完成していくものなんだ だから歌舞伎は世襲制なのだ 自分も自分の代で何らかの個性を三津五郎の中に残し 次に手渡していくんだ」と思い、それで迷いが吹っ切れたそうです。 普通 世襲というと本人の意思は無視されて 人生の道を否応なく他人によって決められてしまうようで、現代にそぐわない非人道的なしきたりだと私も思っていましたが その記事を読んで世襲の意味がすごく理解できたように思えました。 歌舞伎界の方は 皆さん 若い頃は歌舞伎役者になることに一度は反発するようですが ある年齢になると自然と歌舞伎の世界に生きることを受け入れていかれるように思うのですが やはりこの三津五郎さんのような気づきに出会われるのでしょうかね。。。 しかし、歌舞伎の世界に限らず 親は子供に自分ができなかった夢を託すものですから そういう意味ではまさに人間は本能的に世襲の意味と知っていて さらなる未来にその夢が完成することを願うものなのでしょう。。。 ただ、歌舞伎や他の伝統芸能とは違って 子供がもっと違うことがやりたいと主張すればあっさりと却下されてしまうでしょうが。。。 ^^; しかし、映画やテレビに出演している馬たちは そうか 世襲制なのか。。。 ということを 今日 初めて知りました これからテレビや映画で馬を見るとき 今までと違った視点で見る楽しみが増えました。 出演馬の名前もテロップで流れてくれたらなぁ 初代ハルマオーとか 三代目サンシロウとか。。。 そうしたら 「あら この子は 3代目だわ お爺さんに似て嘶き声がすてき」とかって思えてもっと楽しいのに。。。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 16, 2009 08:35:16 PM
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