メインバザール in デリー(1)
翌日の列車のチケットが手配できたので、次は宿探しだ。いかにも観光客が集まる雰囲気を持つメインバザールは、狭いところで車がやっと一台通れる程度の道幅だ。通りの両脇には所狭しと店が立ち並び、典型的な雑多なアジアの香りを醸し出している。ただ、ここは歩行者だけでなく、野良牛さまも野良犬さまもいて、その上、それでなくとも満員御礼のところを引き裂いて、どけどけぇーとサイクルリクシャー、オートリクシャーが通る。血湧き肉踊る光景である。AくんとBくんは、「地球の歩き方」に紹介されているPayalという日本人宿に泊まりたいと言う。トリもその宿の部屋を見せてもらった。2人に紹介された部屋はトリにも許容範囲ではあったが、トリ用のひとり部屋はかび臭くて湿っぽい。無理ムリむり!別の宿を探す。もう一軒の日本人宿をあたったが、Payalより劣る。2人はPayalに決め、トリはちょうどPayalの向かいにある小奇麗そうなホテルを見てみるということで、後で待ち合わせすることにした。そのホテルは1泊300ルピーで部屋は広く清潔。お湯の出るシャワー、トイレつきということで即OKしてチェックイン。部屋で荷をほどき、時間通りに2人と合流して、メインバザールをブラブラした。デリーでの目的は、食事を一食取り、草履を買うことだけ。Bくんのガイドブックに掲載されているチャイが美味しいお店を見つけて入った。3人ともチャイとタリー(インド式定食)を注文した。本場のチャイ、ウマすぎる!後にも先にもこんな激旨チャイに出会うことはなかった。タリーはやや油っこく、味は別段印象に残るようなものではなかった。そのお店で随分とゆっくり過ごし旅の疲れを癒した。Aくんは草履を買いたいと言い、Bくんは下痢止めの薬を買っておきたいということで、トリはBくんと歩くことにした。インドでは薬は箱ごとではなく、1錠ずつ買うようだ。お目当ての薬は難なくすぐ買えた。知らない街を散策するのは、そこに何もなくても楽しい。勘に任せて適当に通りを曲がったりして歩く。メインバザールをちょっと外れるだけで観光客は見当たらない。寮のような建物があった。学校が近くにあるのかなぁなどと想像をめぐらせる。インドの人の生活空間が垣間見られるような新鮮な気持ちを楽しんだ。結構冒険したつもりだったが、メインバザールに戻ってみると、意外とこじんまりとした散策だったことが分かった。インターネット・カフェがあったので入ってみる。日本語が使えないので、とりあえず緊急メールがないことが確認できればいいと、30分をBくんとシェアして使うことにした。Bくんはメルアドを書いた手帳を宿に忘れたので取りに行ってくると言ってカフェを出た。BくんはAくんと2人で戻ってきた。結局そこでのアクセスはすごく悪く、緊急メールがないことだけを確認。2人は何もできなかった。なぜかAくんだけが料金を請求され、トリとBくんはお金を払わず店を出た。Aくんは疲れたので宿に戻ると言い、Bくんとトリはまたブラブラ歩きを続けることにした。