講義の後で
「艦長、質問があります。艦長は1年戦争の生き残りですよね。」「まあ、そうだが・・・・・」「あの頃って・・・・・」「う~ん・・・・・1年戦争ってところから出鱈目だからな。」「どういう事ですか?」「たった1年でジムが数百機も作れるか?パイロットの養成が完了するか?君たちだって軍人の基礎教練に3か月もかかり、パイロット養成には半年以上かけている。いくら戦時中でも、1年では無理があると思わないか?」「でも連邦政府の公式発表は1年戦争です。」「連邦政府、信用を置ける政府か?」「……」実際、連邦政府はあてにならない政府だ。我々は、月面の地方都市として連邦に所属しているが、中身は違う。アナハイムと連邦政府の癒着の上に成り立った月面都市。その目的は、ジオンの技術奪取だった。それが、技術検証に代わり、いつの間にかアナハイムさえ手玉に取っている。だからこそ、かなり自由な都市だ。そうでなければ、どれほど締め付けられているか・・・・・「君たちは、政府が作成させたアニメーションを見て育ったのだったな。」「はい、ガンダムを見て、パイロットになろうと思いました。」「なら、ビームサーベル同士のつばぜり合いは見ているだろう?あれは可能かね?」「無理です。」「そうだな。レーザー同士の干渉があるが、つばぜり合いは出来ないな。つまりそういう嘘の他に、もっと嘘があると言うことさ。俺の知ってる範囲で嘘を解いてみるか?」まあ、小難しい講義より頭休めにはいいか・・・・・