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アズライルイーグル

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Jan 13, 2007
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カテゴリ:鬱な日常日記orz
今回と次回は久々に重い日記になります。
予め了承ください_ _

あと、読み返すと三流小説な感じになってしまいましたが、全てノンフィクションです。





今日は珍しくなかなか寝付けず、深夜2時になってようやく睡眠に入ったと思った瞬間でした。
寝ているはずの親が部屋に突入してきました。

「まさか、もう7時・・・?ゲっ、今日学校じゃん・・・OTL」
なんて初めは思いましたが、様子が違いました。
いつもみたいに雨戸も開けないし、起こす声が小さい・・・いや起こす言葉じゃない。

寝起きで半分意識が飛んでたんで、2回聞き返すことになりましたが、母の言った事は
「おばあちゃんが亡くなっちゃったから・・・」と。

正直耳を疑いましたが、さすがにこれ以上聞き返すわけにもいかず、半信半疑なまま目が覚めてしまいました。

この時、時刻は3時20分。寝付いてから40分後の突然の通知でした。





最近家の祖母は、ガンの再発によって入退院を繰り返している最中にありました。(7月21日付けのブログ参照)

読んでのとおり、再発発覚時には心臓と脊髄の間に6cmものガンが出来ており、もはや手がつけられない状態でした。


初めの方は相も変わらず元気そのもので、いつも暴走しては母と喧嘩してました。
しかし容態の悪化に従い、(既に助かる見込みはないが)延命のために放射線治療を余儀なくされてきました。


ところがこれは、受ける祖母も、連れて行く母も結構な負担でした。

まず祖母は、治療のたびに体調を悪くしていき、1ヶ月もすると喉がつぶれた様な苦しそうな声になり、2ヶ月でほとんどの日は半日を寝たきりで過ごすようになり、3ヶ月目で入院。その後まもなく食道が塞がってきて、普通の食事はまともに喉を通らない状況に。
4ヶ月もすると、呼吸困難で危うい状態に陥ることがしばしば起こり、5ヶ月目で、自力で立てなくなってきて、終いにはトイレも出来なくなり、その3日後に亡くなりました。


母はその間、自らの仕事を削ることにもなりましたし、毎日遠路病人を連れて行くのは精神的に辛かったとのこと。
しかも祖母は、強引に渋ったり、車の中で調子を崩したりと、母の精神により追い討ちをかけていきました。





6時頃になると既に魂のない祖母が祖父の部屋に運ばれ、同時にお坊さんが来て、早速お経が読み始められました。

当方と仏壇の中間に祖母は寝ており、変なことを言うようですが、その寝顔は子供ように静かで幼いものでした。

顔はまだ温かく、よく言いますが、今にも目を開けそうな感じとは正にこのことだと思いました。
しかし、もう瞳を見れる日は来ません。
こうしてみると普段気にも留めませんでしたが、あの年甲斐もなくヤンチャな目が恋しくなるものなんですね・・・

とはいえガンに侵された体はもうズタボロで、血が戻らなくなって腫れたリンパ腺のせいか、腕は筋肉馬鹿のように大きくなり、体はロクなものを食べられなかった為に、痩せ細っていました。
ガン発覚時に45kgあった体重は、もうこのとき30kgを切りそうなところでした。


お経が終わり、朝食後のそれからしばらくは、今後の手順をある程度決めた後、線香の香りがほのかに立ち込めた家で静かに、何をするでもなく、いつもながらに言えばボーっとしてたことになります。

でも、いつもみたいにしょうもない妄想をしてたわけでなく、自然と元気だった頃の祖母を初めて回想してました。


中2まで、横浜育ちの当方が祖父母に会える機会といえば夏休みだけでしたが、幼稚園の頃訪れた記憶も少なからずありました。

4歳の頃、空気で膨らませたビーチボールを使って、部屋の中で遊んでは、乱雑な祖母と当方が障子を破壊しまくっては親に怒られまくったことや、古い子守唄を歌ってもらった記憶も微かにあります。
他にも小6のときだったか、車庫にあった手作りの短弓を使って共に遊んだこと等々。


実際遊んでたことばっかりでしたが、よくよく考えてみれば、頑固で意地っ張りで負けず嫌いな祖母でしたが、身内で唯一、軽い風邪でも学校を休ませろと言い、部活後は時間ないんだから勉強しろ等と言わず、疲れたんだろうからもう休めばいい。
等と、体を極端に心配してくれて、勉強のことは口に出さずの優しい人だったんだな、と思います。

つか単にダメ祖母じゃん。
確かに、そういわれても仕方ない人でしたが、当方にとってはこの点は感謝する点かなと思います。
恥ずかしながら言えば、こうして今まで気づかず、礼が言えなかったのはやはり後悔してしまいます。


午後4時になると、当日の通夜の為に途端に忙しくなり、当方は部屋の棚の運搬作業に当たりました。
この仕事は30分足らずで終わりましたが、見た覚えのない棚だったので何気なく棚の中を見てみました。
中には、おもちゃ、人形、辞書などなど、男の子か女の子か、はたまた大人か分からなくなるようなものがごちゃごちゃはいってました。

最後に下の引き戸を開けたとき、信じられないものが出てきました。
それは、もう空気が半分以上抜けて、ボコボコになったスイカ模様のビーチボールでした。

そうです。この埃かぶり放題の汚いボールは、上記在りし日に共に遊んだボールでした。


それの埃を払い、無意味に膨らませてみたそのボールは、12年の月日が過ぎた今でも空気が抜けることなく膨らみ、その形に感傷しながらも無意味に放ってみました。

すると壁と地面にボールは跳ねて、玄関に転がっていきました。
4歳の頃は、このあと祖母が投げ返してきたんですが、当然ながら今日はそのボールは玄関に転がったままです。

遅いですが、この時初めて祖母の死を実感しました。

勿論さっきの回想時でも、そのことは視覚的には分かっていましたが、やはり内心まだ生きてるんじゃないか。って感じがしていました。


悲しげに転がり、左右に揺れるボールは何故か、屍の顔を触れたときより悲しみを最高潮へもって行きました。

なんと言うか相変わらず、女々しいです。(恥


午後7時になると通夜が始まりました。
祖母の遺言として唯一残していったことで、「通夜は家の中でやりたい」を果たす為に部屋の中での通夜でした。
派手な言動に似合わない祖母らしい、気が小さい遺言でした。

12畳程の広いと言えない場所に、30人近い人が集まりました。

始まりから終わりまで、約1時間。
部活で鍛えたからか知りませんが、若干痺れながら続けられた正座から立ち上がり、こうして部屋を後にしました。


日が変わりかけの今も、まだ線香の匂いが立ち込めています。
目まぐるしく、明日は早速葬儀になります。

祖母の姿が目に入れられるのも、人生で数えてもあと数時間ってことです。






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Last updated  Jan 13, 2007 11:57:57 PM
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