仕事の虫が家庭の鬼?!
私の友人は皆知っていますが、エリカを妊娠するまで(妊娠中もだったかな?)私は仕事の虫といわれるほど毎日残業し、土日もOn Call,日本では”待機”とか、”拘束”とか言われていますがいわゆる緊急対応のシフトをバシバシ取っていました。同僚からは”On Call Queen”なんて呼ばれたこともあります。土日に朝7時から夜の11時まで緊急の手術に追われ、休みなしで働くことも多々あったのですよ。友人からは”いつ休んでるの?”と聞かれるくらいでした。どうしてそんなに仕事の虫になったのか?主にはずばり、収入のためです。他にはうちの主人がその当時土日は休みではなかったので一人で寂しかったというのもありますが・・・マイホームを買いたくて、また買ったら買ったでローンを払うのに一生懸命働いていました。ここでナースのお給料のしくみについて少しばかりご説明を・・・こちらではほとんどのところは時間給で給料は算出されます。だいたいの病院は2週間ごとにお給料が支払われます。小切手または自動振込みで、現金支給はまずどこもしていないでしょう。残業をすると最初の4時間分は1.5倍、それ以降は2倍の時間給をもらえるのです。こちらでは、”サービス残業”なんて言葉はありません。仕事をすればその分だけもらえるのです。そしてOn Call は待機している時間分、時間給の半分をもらえるのです。緊急の手術で呼ばれるとその分だけ時間外労働で1.5倍もらえます。つまりOn Call なら夜中に寝ながらでもお給料がもらえるのです。これはOn Call シフトの”おいしい”ところですが、欠点はいつ呼ばれるか分からないところです最悪の場合は一晩中寝ずに緊急手術をし、朝から日勤ということもあるのです。妊娠が分かってすぐに今の病院へとらばーゆしました。就職から半年はOn Callは取れないとの事で、妊娠初期から中期には前の病院で非常勤ナースとしてちょくちょくOn Callとしてはたらいていました。妊娠中に働いていた方なら分かると思いますが、8時間以上働くのは結構つらかったのですが”仕事の虫”と呼ばれるほど仕事中毒になっていた私、それでも楽しく働いていました。・・・その結果、とんでもないことになってしまったのです。もともと前置胎盤で産婦人科の先生から”気をつけてね”といわれていたのですが、何も症状がないので妊娠前と同じように働いていたのです。そしてある日突然・・・そうです。出血したのでした。一時期は早産の可能性もあったのですが、ゴキブリのようにもともと生命力の強いエリカは持ちこたえてくれました。ただそれからは出産するまで自宅で丸々2ヶ月間床上安静を強いられました。その時私が決心したことがあります。”仕事も大切だけれども、やはり家庭を大事にしないといけない”床上安静中、毎週平均2回はあった病院のアポイントメントを、うちの主人はそのたびに40キロ近く離れた職場から食事も取らず家に帰っては私を病院まで文句ひとつ言わず連れて行ってくれました。料理も作れず、掃除や洗濯も出来ず、自称”大きな赤ちゃん”状態だった私をいつも支えてくれた主人に本当に感謝しました。彼のやさしさ、愛に応えるためにも家庭を大切にしようと決めたのです。今のところ上司からの要望はあるものの、On Callは取っていません。今の職場では”仕事の虫”からかなりかけ離れているようです。ただ、収入は激減。うちの主人には”働け働け!!”と”家庭の鬼”になって主人のおしりをたたいています。これも”愛”ですよ、ね!?