よそ行きの服
寝室によそ行き用の一式(ブラウス、カーディガン、スラックス)をハンガーに下げて置いてある。通院や買い物に行く時用に。なぜか孫のお迎えは普段着で行ってしまう。徒歩3分のスーパーにも同様に。私の普段着のスラックスは基本的にウエストゴムのスウェット地が多いので、やはりその格好での外歩きは憚れると自覚している。外見は小綺麗にしたいと思っている。息子が幼稚園生の時、印象的なお母さんがいた。土曜日放課後に任意の音楽教室があり、それに参加していたのでお迎えにいくといつも顔を会わせていたお母さんだった。普段着のまま駆け付けましたという人がほとんどの中、ちゃんとよそ行きスタイルだったお母さん。いろいろ話していくうち、彼女は専業農家で、忙しい仕事の合間を縫ってのお迎えだという。作業を中止して自宅に戻り、シャワーを浴びて着替えしてからなので結果的によそ行きの格好になると。私自身は当時会社勤めだったのでいつも時間をもらって事務服でのお迎えだった。その後、彼女のお子さんは県内でも有名な進学校に入り、有名企業に入ったと息子から聞いた。当のお母さんはJAの組合員の女性部会の役員になり、変わらぬ若々しさで広報の写真に載っていた。