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私の現在の事務所では、インド人が10人程度働いています。この中に、とても苦手なおじさんが一人。私は彼の仕事をサポートする立場です。なので、実際には、コミュニケーションを蜜にとるべき相手なのですが、初めてあったときから、とてもいやなひとだと思っていました。なぜなら、人の話をさえぎって「それは違う!こうなんだ!」とぎゃんぎゃん言うんです。しかも甲高い声なので、たまりません。たいてい、批判をしています。また、言葉が足らないことが多く、意図を理解できないことも多いです。かりかりしやすい人なんです。かっとなると、言葉が出てこなくなるタイプです。 昨日などは、私の仕事のことに関して、また、ぎゃんぎゃんとミーティングで言い始めました。間違ったことは言っていないのですが、あまりに、土壇場での提案に、私は、一時むっとしていました。どうして事前に言ってくれなかったか、そして、そのミーティングであたかも私が存在しないかのような態度だったことなど。今まで、人を小ばかにしたような、「俺は何でも知っている、お前はなにも知らない」というような態度を、彼が私にとってきたことも、私は、不愉快に思っていました。そこで、彼に昨日は、「私は、あなたを専門家として尊重しているし、能力も評価している。だけれども、今日のミーティングで私を無視した発言は、チームで働く上では、非常識だったと思う。私は、無能だといわんばかりではなかったですか。私があなたを尊重するように、私も、あなたから尊重される権利がある。」と、むっとして言いました。彼は、さっきふと思いついたんだとかなんとか言っていましたが、私は、「そういうのは、言い訳にならないよ」といいました。なぜなら、彼にはだいぶ前にそのことを相談していたし、私と話し合う時間は沢山あったはずです。しかも、ふと思いついたのでもよい、だけれども、わきまえるということは、できたはずです(しかし、彼はできないんですね。)。 今日、彼と一対一で仕事の話をすることがありました。彼は、「言い方はきついかもしれないが、間違ったことは言っていない。」といいました。そして、私も「それは、みんなわかっていますよ。」といいました。すると、彼が自分のことを少し話してくれました。「貧しい家の出身で、今のような国際的な仕事をしたり、規模の大きなプロジェクトをマネージして成功させてきた。」と。これでなんとなくわかりました。インドの階級社会で、それを乗り越えて成功するためには、こういうふうにしてこなくてはならなかったんだと。かれは、きっと、他人を批判したり、小さく感じさせることで、自分をより大きく見せないと、不安でたまらないんだなと。きっと、今まで、「あなたの能力を評価しています。」と面と向かって彼に伝えた人はいなかったのかもしれません。そうは思っていても、結局は、「彼は仕事はできるかもしれないけど、貧しい家の出身だから。」とかいうことで、苦い思いをしてきたことが沢山あったのかもしれません。そして、経済的利益を求めることで、自分の社会的立場を築いてきたのでしょう。 今回のチームの中には、博士号を持っている人が彼のほかにも4人います。だから、余計に自分の立場を強調せずにはいられなかったのかもしれません。 そして、このミーティングのあと、私は、「あ~、今まで、いやなやつだと思っていて、何も理解しようとしてあげなかったではないか」と気づきました。彼は、ただ一生懸命で、仕事に熱心で、そのあまりかっとなりやすいだけだったんです。 でも、いろんなわけがあるんだなと思えば、理解できます。そして、また、一緒にやっていけるような気がしました。そして、そうすれば、彼には、それなりの力があるわけですから、私にとっては、一緒にやっていってもらったら、強みになります。 今までは、こういう人に出会ったら、排除する方向に向かっていましたが、なんと、今回は、その反対です。私もだいぶインド化してきたみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.13 20:54:08
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