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2005.09.17
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ナイフ

4篇目の「ビタースイート・ホーム」は身につまされっぱなしでした。
第二子の誕生と共に共稼ぎを解消した夫婦の5年後。
元高校教師の妻と小学生の娘の担任との確執を夫が語ります。
妻にも、娘の担任教師にも私は身につまされっぱなしでした。

この数年、何度教師をやめようかと考えたか分かりません。
「何でわかってくれないんだろう。」
保護者に対しても、子どもに対しても、同僚に対しても、そう考えていた自分がいました。
そんな自分の思い上がりに気づかせてくれたのがこの作品です。

人はいろんな条件の中で生きていて、それぞれ努力目標や妥協点を見つけて
幸せであろうと生きているのだ、と思えてきました。
それが、私にとって欺瞞や甘やかしに見えても、
もし、自分がその条件に置かれたら、そうしているかもしれない。
今、自分はかなり恵まれた環境の中で生活していると思います。
だからこそ、できていることを、他の人にもそうすべきと、
振りかざしてはならないのだ、と気づきました。

実際、教師を辞めてしまったら、自分のアイデンティティのかなりの部分が失われてしまうでしょう。
そうして、その後の生活の中でその部分を補う何かがあるか、というと
そうではないと思えるのです。
アイデンティティを補う何かが見つらない限り
早まったことはしないようにしよう。





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Last updated  2005.09.23 09:32:00
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