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カテゴリ:エンジョイ育休
市内の博物館で日曜日まで母が主宰する押し花教室の展覧会をしています。 ちぃ姫と二人出かけてきました。 博物館の目の前には噴水のある小さな公園があります。 寒風吹きすさぶ数日間がうそのようにぽかぽかとした秋日和。 今がピークの紅葉に誘われて焼きたてパンを買い込んで 母といっしょに噴水を眺めながらほおばりました。 ナナカマドの赤がことのほか美しく、雪虫も飛んでいて、 北海道の秋が駆け足で通り過ぎていくのを感じていました。 午後は数ヶ月前から購入していた重松清の『カシオペアの丘で』を読みました。 カシオペアの丘で(上) 体調の悪さや忙しさも手伝って放っておいた上下巻を数日前から読み始めていました。 舞台は北海道、39歳の4人の登場人物、うちの紅一点は女教師…と、 感情移入するには十分の設定に不思議な因縁を感じて読み進めるうち、 幼馴染の4人がカシオペアの丘で再会するシーンに差し掛かりました。 設定はちょうど秋まっさかり。 さっき見たばかりのナナカマドの赤が脳裏に鮮やかによみがえる。 手に入れてすぐの暑い夏に読まず、今まで寝かせていて本当によかった。 人はだれしもわだかまりを抱えたまま生きている。 それには触れないようにして蓋をして生きている。 それをすべてさらけ出した上で みんなが幸せの中に生きる(あるいは死んでいく)なんて 幻想のようだけど、そんな奇跡を鮮やかに見せてくれる。 ひょっとしたらできるのかもしれない、 そんな希望を持たせてくれる。 重松さんの作品は、本当に読後感がいい。暖かな気持ちがあふれてくる。 忙しさや体調の悪さからつい夫に対してつっけんどんに接していた自分を改め、 今日はすこしやさしくできた気がします。 重松さんの作品は、語り手の設定が面白い。 きみの友だちと 疾走(上) は、主人公が二人称で呼ばれ(「きみの…」は「きみ」、「疾走」は「おまえ」)、物語の終盤に語り手が明かされる仕組みがとられていたかと思います。 「カシオペア」は章ごとに語り手が入れ替わるのがいい。 さまざまな角度から事件をとらえられる。 人の立場に立って物を見ることを疑似体験できる。 読書はさまざまな人物に感情移入することによって、 さまざまな価値観にふれ、他人を理解する力が養えるんだと私は思います。 (演劇はさらにアクティブな方法です。) 友達との関係に悩んでいる女の子に「きみの友だち」を薦めたことがあるけど、 「カシオペア」は中学生にはまだピンとこないか…。 でも、39歳になったら読み返してみてっていうのも面白そうです。 余談ですが、ひとつだけ違和感があったのは、 「副校長」という言葉です。 最近学園ドラマを見てるとよく聞きますが… 北海道の公立小に「副校長」はおりません。「教頭」です。 「副校長」って日本全体でどれくらい幅をきかせてるんですかね? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.29 23:56:11
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