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★ 鉄橋 ★
特急列車 はるか彼方 久し振りに つらい恋を 終わらせたいと 皆が それぞれの一生懸命を 多くの想いを包み込み By.星原女瑪.(2013.9.01) 2020.3.26.
★詩に寄せて★
最近は再掲が多くなり、大変に恐縮しております。 新しい詩を産み出すことは、詩を完成させるのは、 実に難しいです。 何度も推敲を繰り返し、出来上がります。 それでも満足な詩は、 なかなか書けません。 多分、私の力不足なのでしょう。 さて今回は、【鉄橋】を再掲してみました。 詩を作品として放つことには、 勇気が要ります。
詩人、萩原朔太郎は、 【詩は、言葉以上の言葉】 と言っています。 その様なものが、簡単に出来る筈もなく もちろん作為では出来ません。 拙い詩ですが、 読んで下さり、誠に有り難うございました。
【倒れた御婦人~】(完) 3月19日スーパー銭湯での話です。 午後から行ったスーパー銭湯は、 コロナウィルスの所為でガラガラの空き様でした。 何時ものように時間を掛けてシャンプーしたり、 ゆっくりとクレンジング。 そして温泉で何度か温まり、 歯磨きを済ませて脱衣場へ上がりました。 さてさて今日も丁寧にお肌の手入れを...(*'▽') そんなことを思いながら、 半袖ロンTで化粧台に座りました。 先ずは美容液を付けて、ドライヤーにスイッチオン。 鏡を見ながら気持ちよく髪を乾かしていると、 とんでもない光景が、鏡に映って来ました。 アッ...御婦人が後ろ向きに倒れる姿が映ってました。 倒れ方は、バーンと言うよりは、 ゆっくりな感じでした。 直ぐに起き上がると思いきや、 そのまま動きません。 これは、大変だぁ...。 私はドライヤーを止めて、 立ち上がりました。 振り向きざま5mほど走ると、 御婦人の頭の方へ、しゃがみ込んだ。 その時には、既に3~4人が集まっていました。 (注釈・ここは女湯ですので、全て女性です) アッ、頭が床についている。何とかしなければ...。 タオルだ!思い付いて化粧台へ走った。 私は大好きなミニーちゃんのタオルを取り上げて、 再びシャガミ込み、頭の下に入れて遣った。 その時、 『タオル、タオルはないの』 大きな声がした。 この場を仕切っているらしい、 元気そうな老婦人の声だった。 アッ、そうだ。 私はロッカーに戻り、 濡れたガーゼタオルを手にして戻った。 私は、ボンノクボを冷やしてあげたかった。 『ダメダメ、湯当たりは首の頸動脈』 仕切り屋さんは言うなり、 洗面器の水にガーゼタオルを浸けた。 私が何時も、湯上りに顔とボンノクボを冷やすタオル。 『アッ、そのタオルも貸して』 仕切り屋さんは、 ピンクのミニーちゃんも濡らし始めた。 あぁ、私のミニーちゃんと、一瞬つぶやいた。 『タオルは無いのですか』私の声に、 『スタッフさんが持ってくると、思います』 すぐ傍の婦人が応えてくれた。 『じゃあ、フロントには連絡して下さったのですね』 気掛かりだった事を、私は口にした。 『ええ、だいぶ前に...』 そうだったのかと、思っていると、 『吐き気がするって言ってますよ』 また別の婦人が言った。 『洗面器を、持ってきますね』 私は言うなり、浴場へ走った。 『これを置いておきましょう』 何時の間にか、私は仕切り屋さんに話し掛けていた。 そうです...。こういう時には、 ある程度知識の有る仕切り屋さんが、必要な気がした。 すると、 『水、水を飲ませなければ。湯当たりには水を』 仕切り屋さんが叫んだ。 私は、化粧台のペットボトルに目を遣った。 私が何時も飲む、麦茶だった。 『あれなら有るのだけれど、今はコロナがね』 『そうそう、駄目よね』 また別の婦人が同調してくれた。 そうか、ある事に気付いて、 私はロッカーへ走った。 小銭入れを手にして、 仕切り屋さんの向こうの販売機の前に立った。 あぁ、何にしようか。アルプスの天然水を...。 500円玉だったから、何でも買える状態だった。 ボタンを押そうと思った瞬間、仕切り屋さんが叫んだ。 『下の段の左のイオン水』 ああ、これね。 私は、ペットボトルを差し出した。 すると、 『ストロー、ストローがなければ』 また、仕切り屋さんの声がした。 そうか、ストローがないと飲ませられないよね。 『スタッフさんが、持ってくるそうです』 その時、誰かの声がした。 それにしても、 フロントへの電話から、だいぶ時が経っていた。 30分は、掛かっていた。 その内に、誰が持ってきたのか、 仕切り屋さんが、ペットボトルの水を飲ませ始めた。 それを見届けた私は、連れの事を思った。 それでロンTにソックス姿で、 小走りに女湯の入り口の内に立った。 連れが見えたので、 暖簾越しに患者が出たことを告げ、 少し遅くなるから待って呉れる様にと、頼んだ。 私はロッカーへ引き返し、 UVファンデを軽くはたき終えて、 また患者さんの元に戻った。 なんと、洗面器に吐いた跡が見えた。 『吐いたのですか...』 『そうなの、脱水症ではなかったみたい』 仕切り屋さんが、直ぐに答えてくれた。 患者さんの唇はに、ほんのり赤味が有った。 顔色は、頬骨当りに薄っすらと赤みが差していた。 私は変だなぁと、思った。 それで、ある病気の事を思い始めた。 【つづき】 その頃になってスタッフが二人、 タオルを抱えて漸く現れた。 私はタオルを奪う様に取ると、 厚めに折って、患者さんの頭の下に差し込んだ。 傍の婦人が手伝って呉れたので、 頭はそうっと持ち上げたのだった。 その時には、 沢山のバスタオルが、患者さんに掛けられていた。 私は患者さんの顔の近くにシャガミ込んで、 『ねえ、足の先は動かせますか』 聞いてみると、患者さんは小さな声で、 『はい』と答えてくれた。 『じゃあ、足の先を動かしてみて』 私はタオルからはみ出した、 患者さんの足先に目を凝らした。 足首から先が、左右均等に動くのが見えた。 なるほど・・・私は胸の内で溜息を付いた。 これは、心筋や脳梗塞ではないな...。 となると、 私が疑っていた脳卒中に一番近いと思った。 顔色が蒼白でなく、吐き気を訴えている。 もう大分経つのに、座る事も出来ない。 元より、私は湯当たりや貧血は排除していた。 『血圧を、すぐに測ってください』 スタッフに告げると、 『血圧計は、無いんです』 『はぁ、無いんですか...』 私が呆気に取られていると、 周りの婦人たちも、怪訝な顔つきだった。 『早く救急車を呼んだらどうですか』 私が訊くと、 『お連れの男性が、外で待っていますのでー』 いつか、仕切り屋さんの姿は消えていた。 『一刻を争う時ですよ。早く呼ばないと』 『患者さんが、呼びたくないと言っています』 私は落胆と、憤りを感じ始めた。 『本人の意向に、構っている時ではないのですよ』 スタッフは、私の言葉に応じなかった。 私はシャガミ込んで、患者さんに話し掛けた。 『ねえ、待っている人は旦那さんなの』 患者さんは首を小さく振って、 『違います。友達です』 ...そうか、これが邪魔してたのね。 そこえ、 『担当の者が、来ました』 スタッフの声がした。 柔道でもしていた様に体格の良いスタッフが、 黙ったまま現れた。 かれこれ40分は経っていた。 担当者は、血圧計を持ってはいなかった。 その頃になると、 私の傍に仕切り屋さんが立っていた。 私は患者さんから少し離れて、 仕切り屋さんに言った。 『どうして救急車を呼ばないのでしょうね』 仕切り屋さんが応えないので、 『もし脳卒中や梗塞だったら、一刻を争いますよ』 『患者さんが、救急車を断ってるって...』 『患者さんの意向など、聞いてる場合では無いでしょ』 しかし仕切り屋さんは、答えなかった。 よく見ると、ジャケットを羽織り化粧も済ませていた。 ・・・うーん、器用で要領のいい人がいるんだな...。 私はシャガミ込んで、患者さんに言った。 『早く救急車を呼んで貰った方がいいですよ』 患者さんは、答えなかった。 『重病だったら、遅すぎますよ。 何でもなけば、それに越した事はないのですから』 『はあ......』患者さんは曖昧な返事をした。 その時、 『患者さんの事は、私達が看ますので』 スタッフの声がした。 『だったら、早く救急車を呼んで下さい』 私は執拗に、同じ言葉を放った。 『それでしたら、店長と相談していますので』 ヘッ...。今頃相談とは......。 何だか私は呆れて来て、ロッカーへ足を向けた。 鍵を開けて、身繕いを始めた。 眉だけチョット描いて、終わり。 丁寧に化粧をする気になどなれなかった...。 どうせコロナでマスクを掛けるんだから、 これで...。 私は荷物もまとめ、バッグを肩に掛けた。 ロッカーの中が空になっているのを確認して、 もう一度だけ、患者さんの基にシャガミ込んだ。 『ねえ、もう1時間も経ってるのよ』 『ええぇ、一時間も経つんですか』 患者さんは、初めて驚いた様に反応した。 『1時間経っても、動けないんでしょう。 救急車を呼ぶか呼ばないのか、早く決断してね』 私は言い聞かせる様に言って、立ち上がった。 見ると、少し離れた所に仕切り屋さんがいた。 『すみません、看護師さんですか』 私の問いかけに、 『はい、そうです』 応えて呉れて、 『あなたは、』と、訊いて来た。 『名乗る程ではないですが、教授は大方が医師でした』 『そうですか...』 仕切り屋さんが返事をしたので、 私は少ししてから、その場を離れた。 私は女湯を出て、連れの待つ出口に向かった。 愛人なんかサッサと帰して、救急車に乗ればいいのに。 私は帰りの車の中で、呟いた。 そして、 ・一人では来るベカラズ! ・愛人とは来るベカラズ!(残念ながら、いない) この言葉を、肝に銘じた。 【おわり】 読んで下さった皆様に、 心よりお礼申し上げます。 有り難うございました。m(__)m
ご訪問くださり、誠に有り難うございました
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