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January 6, 2014
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カテゴリ:映画
あけましておめでとうございます!

今年もべるにーにのブログにお付き合いいただき誠にありがとうございます!

そんな心優しい皆様にとって、幸多き年であることをお祈りしています。



未だに昨年末に観た映画のことでモヤモヤした状態のままですが(笑)、

同じくジュゼッペ・トルナトーレ監督の2009年制作の映画をDVDで鑑賞しました。

baaria2.jpg

日本語題は『シチリア!シチリア!』

シチリアが舞台の映画であることはわかります。

ただ、オリジナルタイトルは "BAARIA" 『バアリア』? 不思議な言葉です。

二つの"A"? こんなイタリア語はないはずですが。

後で調べたら"BAGHERIA" 『バゲリア』のことだった。

監督の故郷の街“バゲリア”のシチリア語名、故郷への想いを込めた映画でした。 

実はシチリアの歴史はとても複雑、セリフも全部“シチリア語”で、

イタリア語とはかなり違う言葉なんですよね。



どこから話そうか・・・・・



バゲリアに生まれたとても貧しい牛飼いの息子ペッピーノが1930年代から1980年頃? 

激動の時代のシチリア(イタリア)を生き抜いていく物語です。



小学校には行かせてもらえても働かなければいけない。

街に牝牛を連れてきてペッピーノが呼び止められた家の前で乳を絞り、それを売る。 

そう、昔の日本の豆腐屋さんのような感じです。

貧しい家庭なので地主のオリーブ畑で、大人同様に働かされる。

羊の群れを連れて山で寝泊まりする、狼に襲われないように約1月ほどの放牧だ。 

山で自分で勉強しようと思って持って行った本は、なんと羊たちが食べてしまった!

baaria.jpg



イタリア建国は1861年、今から150年ちょっと前なのでとても若い国家です。



それまでは両シチリア王国(教皇領のローマ以南のイタリアとシチリア)は

スペイン(ブルボン家)の領土で北部はオーストリア(ハプスブルグ)の領土。



それを統一したのはトリノの王様、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世。

王様はフランスの資金援助を得て、北部イタリアを支配していたハプスブルグと戦い勝利する。



南部はガリバルディ将軍がスペインブルボンと戦い勝利、南を王様に“献上”する。

ということで一つの国家になりその後の第一次大戦にも勝利しました、メデタシメデタシ?



やがて世界恐慌と第一次大戦、戦勝国ではありましたが、

戦費でイタリア経済が悪化し多くの労働者が失業してしまう。



戦争には莫大なお金がかかるんですね・・・・・



やがて労働争議が全土で勃発、資本家や南部の大地主たちと、

その彼らが利用してきた長い歴史を持つ秘密結社(カモッラやマフィア)が

危機感を抱き、その彼らの財産を守るための新しい愛国的な政党を支持する。

そのムッソリーニ率いるファシスト党が、ついにはイタリアを一党で支配します。



しかし権力を手にしたムッソリーニは用済みなマフィアのドンを次々に逮捕する。



やがて第二次大戦、マフィアの報復の始まり! 米軍がシチリアのマフィアと

アメリカに渡っていたマフィアを利用しシチリアからイタリアに上陸し北上していく。

勝利したイタリアのパルチザンはローマのムッソリーニを吊るす、イタリアは激しいです。



だから実はイタリアは第2次大戦戦勝国なんだそうですよ。

負けたのは唯一ファシスト党ということらしいんです(笑)



再び労働者の左翼運動が活発になり、ソヴィエトとイタリアの交流が始まる。

なんだか近代史では日本とよく似たところも多いイタリアですね。



貧しいけれども本を読むことが好きだった子供ペッピーノも、

大地主に寄生するマフィアに暗殺されたり、彼らから迫害を受けていた人々を見て育つ。

彼の義祖父はマフィアに惨殺され、父親も暴行を受けた一人だった。



やがて弱者の救済のため政治活動に身を投じ、共産党員として生きることを決心する。

しかし現実は彼の理想通りにはなかなか進まない。 雇用主にしてみれば

煙たい存在である“党員”は雇いたくない。 やむを得ずパリへ左官として出稼ぎに行くことに。



日本より歴史の振れ幅が大きな、光と影の濃いシチリア。

同じ街に暮らしていても超えられない身分や経済の格差が存在していた。



普通に生きていくことでさえ困難であった島、

打たれ強いシチリアの市井の人たちの半生の物語でした。

決して明るく楽しい作品ではありませんが、実際の人生なんて悲劇で喜劇。

誰もが現状には不満で、物質的な豊かさや心の平穏を願う。

世の中は簡単に変わらない、それでも必死で生きかなければいけない。



希望という言葉は美しい、努力をつづけることも当たり前です。

でも現実に報われることはそんなにも多くはない、それが人生なのかもしれません。

img_1509779_60393462_0.jpg




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最終更新日  January 8, 2014 05:48:19 PM
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