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February 3, 2014
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カテゴリ:映画
前々回のブログは小説について書きました。

前回のブログでは女性デザイナーについて。

これらのブログ、まったく関係性はないようですがべるの中では繋がります。



古より人間が好む物語は“マザータイプ(母型)”と呼ばれ、実は種類は数多くない。

世界中に同じような物語があるのは、語り部が旅をしながら口述伝承で伝えたから。

時間軸や場所が変わることでその地にふさわしいモノに再生産できる物語。

きっと多くの人間が感動する話って、だいいたい決まっているんでしょうね(笑)



だから『赤と黒』のジュリアン・ソレルに感動したべるは

それに似た、若き野望に満ちた男の物語が好きなのかも。



『2001年宇宙の旅』、『時計仕掛けのオレンジ』がとても有名、

故スタンリー・キューブリック監督1975年の作品『バリー・リンドン』です。

原作は19世紀の英国の作家サッカレー、舞台は18世紀の英国とヨーロッパ。




アイルランドの農家に生まれたレドモンド・バリー(以下バリー)は

初恋に破れ、恋敵のイングランドの大尉に決闘を申し込む。

決闘には勝ったが、大尉を撃ち殺してしまったと勘違いし、

監獄行きを恐れたバリーは逃げるように村を出る。

道中、追いはぎに合い一文無しになる。

途中の村でイギリス軍の兵員補充に志願し(食事、給金と

眠る場所が提供されるので)ヨーロッパ大陸に渡り、七年戦争に参加する。



その後の数年間は様々な苦労に出会う・・・・・



やがてイカサマ賭博師に出会い弟子となる。

彼と共にヨーロッパ各国の社交界でイカサマによって荒稼ぎする。



そんな中、バリーは病弱なチャールズ・リンドン卿の

若い妻レディー・リンドンに出会い、彼女を籠絡する。

バリーの企み通りチャールズ・リンドン卿はまもなく病死し、

バリーはレディー・リンドンと結婚してバリー・リンドンを名乗るようになる。

自分自身も爵位(貴族の称号)が欲しいバリー。

ところがレディーには先夫との間にも息子がいて・・・・・



ネタバレ禁止ですね(笑) 最後にバリーは落ちぶれていくわけですが。

後半は『赤と黒』、前半はロードムービーですね。



この映画の凄いのはキューブリック監督の“偏執狂的”なリアリズムの追求です。

衣装や美術、バロック音楽はもちろんですが、当時宇宙飛行士用に開発された

世界一明るいカール・ツァイスのレンズ(50mmF0.7)を映画撮影用に改造して撮影しました。



18世紀の夜の室内は蝋燭が照明なのでとても暗い、あたりまえだけど(笑)

人間の目は次第と暗さに慣れ対象を捕えるけれどカメラは無理、

高感度フィルムもなかったのかな? 

従来の映画では普通間接照明を使用したり、色の濃いフィルターを使って昼間に撮影したり。

キューブリック監督はそれが気に入らなかったみたいです。



付けボクロに(暗い夜用の化粧の)白塗りのレディー・リンドン、

夜のイカサマ賭博のシーンはとてもリアルで眩惑的。

bl1.jpg



tumblr_lhfqgeclfN1qelclno1_500.jpg



べるは“レディー・リンドン”に一目惚れでした(笑)



マリサ・ベレンスンという名前の女優です、他の映画ではあまり見ない女性ですが。

ルネッサンス期の画家ボッティチェッリのモデルのような、憂いを秘めた眼差しを持つ女性。

もちろん演技力のことはわかりません、でも彼女にドキドキしました(笑)



リトアニア系ユダヤ人、イタリア、スイス、そしてエジプト人の血を引いている彼女、

面白いことにエルザ・スキャパレッリの孫娘だったんです! wikiで最近知りました。



もっと早く書きたかったけれど、まずはお婆ちゃまに敬意を表しました(笑)

large_barry_lyndon_blu-ray_11.jpg

聖母子像、そのままボッティチェッリでしょ?



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最終更新日  February 3, 2014 11:05:48 PM
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