カテゴリ:映画
かつて『不義密通』は“死”をもって償う罪でした。
姦通、不倫、それは戦前までは大きな犯罪であったと言われています。 あっ、今も立派な犯罪でしたね(笑) 今回は大好きな溝口健二監督1954年の作品『近松物語』 原作は近松門左衛門の書いた人形浄瑠璃・歌舞伎の演目『大経師昔暦』 (だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」) 興味のある方、ここからがあらすじです・・・・・ 経や仏画の表具師の中のことを「経師(きょうじ)」といいます。 大経師(だいきょうじ)というのは、京都にあるその中の 朝廷御用達の最高の位。「経師」の中でも一人しかなれません。 表装した暦(こよみ、カレンダー)の製造、販売独占権も持っていました。 というわけでご主人の以春(いしゅん)は貴族でもないのに 非常に態度がでかいし帯刀も許されている。 舞台は11月の始め、来年の暦の納期にあたるらしく、 お店(おたな)は大忙し。 登場人物 お店の主人、以春(いしゅん) 好色な中年。 いばっていて陰で下働きのお玉を口説いています。 奥さん おさん(香川京子) とても若い。 大店のおかみさんですが、自由になるお金は全然なし。 茂兵衛(もへえ 長谷川一夫) 手代。 美男だけどカタブツ。 女っ気がなく仕事もまじめ。 助右衛門(すけえもん) 番頭。とてもイヤな奴。 彼もお玉を口説いている。(人気のないところで抱きついたりとかパワハラ三昧、 いい男で仕事もできて以春に信頼もされてる茂兵衛をやっかんで苛めている) お玉 下働きのお姉さん。茂兵衛が好きですが振られ続けている。 (あっちこっちからセクハラされてるし、とても可哀想) 誤解がもとで、おさんと茂兵衛は別々に家出したのだが偶然に行き会う。 茂兵衛はおさんに京都に帰るように説得し続けるのだが・・・・・ 最初は愛し合っていない、というより茂兵衛は 気持ちを打ち明けていなかった。 やがて逃避行を続けるうちにデキてしまって燃え上がる。。。。 ところが最後には捕えられてしまいます。民衆に晒す馬上の二人の表情、 かつての二人を知る者から「晴れやか」と表現される。 そうして訪れたカタルシス......すなわち、愛の勝利です。 この世で一緒になれない男女には死が最高のエクスタシーだったのですね。 元禄時代の上方の庶民は、近松ものを観て涙したり 憂さを晴らしたりしていたのでしょうか、死を覚悟できない庶民は。。。 「名古屋でオーダースーツを提供する東洋商事株式会社のHPはこちら」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 1, 2015 05:47:24 PM
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|
|