素晴らしいコーチャー、「ファビオ・セルミ&シモーナ・ファンチェロ」
今年ももうすぐ終わりですね。数年前に惜しまれつつも引退してしまったイタリアのトッププロ、ファビオ・セルミ&シモーナ・ファンチェロを覚えていらっしゃる方は多いと思います。私は残念ながら現役時代の踊りを見ることは出来なかったのですが、ビデオで見てすっかりファンになってしまいました。ジョルジアーニ、ピノ、ソアレなどのほかのイタリアのダンサーと同じく、顔が見えなくても踊りをみただけで誰かわかるほど、彼らだけの独特の世界を表現することが出来る稀有なカップルでした。ファビオは大変優秀なコーチャーとしてヨーロッパでは大変な人気があり、多くのトップ選手がレッスンを受けに行っています。私たちの先生もファビオにはよく教わっていたそうです。引退したファビオとシモーナの素晴らしいデモ映像(2006年!!!)を見つけました。決して難しいステップを踊っているわけではないのに、ワルツとタンゴのキャラクターを完璧に表現している音楽的な踊りには何度見ても感動させられます。(こちらではテレビカメラの撮影によるワルツの映像がご覧いただけます。)最近のスタンダード界では、難易度の高いルーティンに走りすぎて音楽性を無視して踊っているカップルが増えていることが問題になっています。私の国でもジャッジの質の低下が問題になっていて、音を思い切りはずしているのに、大変難しいステップを踊る見た目が派手なカップルが上位に入賞することが頻繁に起こっています。今月のダンス雑誌には、「近年では最も大切なのは音楽性ではないのかもしれない」というタイトルのコラムが掲載されたほどです。私たちの先生はファビオに習ったことを一生懸命教えてくださいます。少しでも先生やファビオ&シモーナの踊りに近づけるよう、来年も努力していきたいと思います。