|
カテゴリ:音楽
ネットで中古のグレコギターを買いました。これが2万9千円。つくりからして70年代のものとのことで、グレコの音をもう一度聴きたいという衝動にかられて買ってしまいました。
初めてエレキギターを手にしたのは高校1年の時。1974年です。 当時はギブソン、フェンダーといった本場アメリカのギターはとても高価で、楽器屋に置いてなかったと思います。とにかくエレキギターを弾きたい一心で親にねだって買ってもらったのですが、何を買ったらいいのかさっぱりわからず。雑誌で見たジミー・ペイジの弾いているレッドサンバーストのレスポールに憧れて、地元の楽器屋で同じ形、色をしたグレコを買ってもらいました。おそらくEG380というやつやったと思います。値段がそのまま製品番号になっていたので、3万8千円やったと思います。成毛滋の教則テープがおまけについてました。ドレミファソラシドの後はいきなりパープルのギターソロを耳でコピーしろという無茶な代物でした。 そのレッドサンバーストの色が本当にきれいで、その頃はトラ目などという言葉も知らなかったのですが、後々大学生になってまわりから「おー、お前のギターきれいなトラ目やなー」と言われて初めて知りました。 まあ、当然グレコを手にした頃はハンバッキングとシングルコイルのちがいも知らなかったし、ソリッドだのホローだのといった言葉すら知らなかった。その音が本物のレスポールに似ているのかどうかなんてわかりようもなかったけど、いい音でした。 そのギターはその後7年間使い続けて、大学2年の時に盗まれてしまいました。あれはショックやったなー。 それでやむなく新しいギターを買うことになったのですが、その時知人から安く(といっても10万円)譲ってもらったのが何と本物のギブソンレスポールカスタム、72年製。「ついに本物や!なんちゅう重いねん!」と喜びいさんでいつものアンプで鳴らしてみると、「あれ?全然音がちがう。グレコの方が良かったんとちゃう?」というのが本物に対する第一印象。 グレコはザリっとした乾いた音で、いやらしさのない音だったのに、本物は妙に濃厚な音で自己主張が強くて何かハナにつく感じがしてしばらく好きになれなかった。 見かけは同じでもグレコとギブソンの音は全く異質のものだということがその時初めてわかったわけです。 今もグレコをピービーのアンプで思いっきり鳴らしたときのザリっとした音は忘れられないでいます。 ネットで70年代のグレコのレスポールの情報を集めてみると、なんとグレコ自身も当時本物のレスポールを見るチャンスが無くて(それほど日本では稀少なものだった)、ギブソンのカタログから図面を起こして作ったらしい。そんなんであんなきれいなギターを作れたのだから大したもんですわ。ただ中身はずいぶん本物とちがっていて、ボディはソリッドではなくてホローボディ、ネックはジョイント式、一見ハンバッキングのピックアップはシングルコイルだったというのですから、そら本物と音が全然違うはずだわな。 今回中古で手に入れたグレコは、年代はおそらく私が高校生のころ手にしたモデルより若干後かな?ネックはジョイント式でボディは空洞になっているけど、ペグがちょっとちがうみたい。 色はサンバースト。いい具合にクラッキングが入っていたりして、ビンテージギターの風格です。 ピックアップカバーにグレコのロゴが入っているのが面白い。EG380もこんなんやったかなー。 いずれにせよ30年以上経っているのは間違い無いのですが、えらくしっかりしててネックのそりは全然ないし、弾きやすいです。生で弾いてみるとホローボディの鳴りがよくわかります。何よりも本物より軽いのがうれしい。 本物の方はこの年になると重すぎてライブで使う気がしないのですが、これなら全然OK。今度使ってみよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽] カテゴリの最新記事
|