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いわゆる団塊の世代から若いところでは我々の年代までの者にとって、チェ・ゲバラには特別の思いを抱く人も多いと思います。やはり今でも英雄というイメージですね。
共産主義国家といえば悪いイメージしか無く、スターリン、ポルポトといった大量虐殺を行ってきた独裁者を連想させます。多くの共産主義独裁者には血塗られた粛正のイメージしかありませんが、チェ・ゲバラにはそのイメージがありません。自分の権力や名誉を保持することに何の関心もなかったからです。 アメリカに搾取されている貧しい国民の立場にたって行動した結果がたまたま共産主義国家という形になったということでしょう。 聞くところによるとカストロもチェ・ゲバラも元々生粋のマルクス主義者というわけではなく、反米という立場からソ連の庇護下に入ったためのレッテルという部分もあるそうな。 まあ、国が医療や教育を100%面倒みたり、食料配給制があったりと確かに社会主義的な政策をとっているけど、国民が抑圧されているというイメージは無い。 奇しくも池上彰さん(この人週刊こどもニュースの頃から時事問題についてわかりやすく説明してくれてました)がテレビでキューバの実情をルポしていましたが、取材の制限などは無いそうです。今も続く経済封鎖のため物が豊富とは言えないようですが(かえってそれがいいのかもしれません)、人々はのんびりと暮らしているようなイメージでした。 ソ連崩壊後、食料を自給する必要から農業従事者に手厚い政策をとり、今では自給率80パーセントを達成しているというのも、医療は全額無料で国民は安心して病院にかかれるというのも今の日本が大いに見習うべき点かもしれません。 もちろん、テレビに出てこないいろんな欠点もあるのでしょうが、もしキューバが現在北朝鮮同様の抑圧的な国家であれば、チェ・ゲバラも英雄視されることは無かったでしょう。 映画はキューバ革命達成後、国連で演説するチェ・ゲバラが旧政権軍との戦いを回想するという流れです。 喘息発作に苦しめられながら戦うシーンや、村人が義勇兵として志願し革命軍が味方を増やしていく様子、規律を破って村人から略奪したり女性をレイプした同志を処刑するシーンなどが描かれています。彼は最後まで略奪をきつく戒めていたようですね。 個人的にはチェ・ゲバラが理想を熱く語る部分がもっと描かれていればなーと思いました。 映画はそこそこ楽しんで見ましたが、しかし映画の最大の弱点はおそらくベニチオ・デル・トロ演じるチェ・ゲバラよりも本物の方が男前ということかな。実際にあらためてチェ・ゲバラの写真集を見ると、一級の役者になれるのは間違いないほど男前です。 彼が未だに英雄視されているのは、その行動と生涯ゆえにですが、ルックスの良さも少なからず影響しているなと今更ながらに思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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