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カテゴリ:医療全般
新型インフルエンザ騒ぎもようやく下火になってきました。
「水際作戦」と銘打って、サーモグラフィーを用いて飛行機内で検疫を行っていたが、結果として国内に感染者が出たことでこういうやり方は実際的では無いということがはっきりした。 後出しで言うのはマスコミみたいで気が引けるが、医師の大半は「感染者は1人も入れさせないなんて無理に決まってるやろ?」と思っていたと思う。 潜伏期があるのだから、どう考えても帰りの飛行機の中で感染者を漏れなく見出すことは不可能だし、すり抜けが1人でもあればその感染者から他の人へ感染していくことになるので意味がない。 多くの労力と費用が無駄になったことを思うと、やはり「行政側にアドバイスする医師はおらんかったのか?」という疑問が残る。 などと思っていたら、やはり検疫が無効であることを主張していた医師が厚労省内部にもいたんですね。↓ http://www.asahi.com/politics/update/0525/TKY200905250417.html 厚労省の役人にしてみれば、獅子身中の虫といった医師でしょうか? しかし感染症の専門では無い私などは、後出しで文句を言うことはできますが、具体的にどうすれば良かったのかは正直わかりません。少なくとも検疫に要した労力は別のことに振り向けるべきだったとは思います。 アメリカでは妊婦が感染して死者が出たことがで、CDCから妊婦に対してタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を積極的に投与するよう勧告が出されました。 もともと妊婦のインフルエンザは重症化しやすいことが昔から知られています。だから今回の新型インフルエンザで妊婦に死亡者が出たとしても特別なことではなく、特に病原性が強いということではありません。私自身は以前から妊婦に対しても説明した上でタミフルやリレンザを処方してきました。しかし日本では「妊娠中にはいかなる薬ものんではいけない」と迷信のように信じている一般の人が多いです。今回の騒ぎはそのような誤解を解くにはいい機会だったかもしれません。 病原性が低いということがわかるまでは致し方ないとしても、その後もいつまでも騒ぎすぎた感は否めません。関西方面への修学旅行自粛だとか、洗足学園の校長が涙ながらに記者会見したりとか、いくらなんでもやり過ぎだと思いますが・・・ 感染が広がった学校の生徒たちが犯罪者のように見られたりといったとんでもないことが起こっているとも聞きます。なんでここまでエスカレートするのかわけわからん。 「感染者が出てもジタバタしない」と言った橋下知事は正しかったですね。石原都知事の「騒ぎ過ぎじゃないのかね」も的を得ていたと思います。 病原性が低ければただのカゼだし、タミフルが効くぶんカゼより始末がいいとも言えるし。 今日本中でマスクが不足しているらしい。マスク製造業者は必死で増産しているらしいが、マスクが出回る頃には騒ぎがおさまって、メーカーは大量の在庫を抱えることになるのでは? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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