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「人間ものがたり」
この本は、人類の歴史を1人の歴史学者が多少の独断と偏見を交えながら語るというスタイルで、広範囲な世界史を飽きさせることなく読者に伝えている。 高校の時、世界史のテストはいつも20点ぐらいだった。 ただ憶えるというのが苦痛でしょうがなかった。 「何でこんなに戦争のことばっかり憶えなあかんねん、アホらしい。こんなもん憶えてなんか役に立つんかい?」としか思ってなかった。 授業中はほとんど寝ていたし、ノートなどとったことも無かった。 しかし歳をとってくると、今の世界のいろんな問題には根深い歴史があることに気づかされる。 たとえばいつ終わるともしれない中東紛争はそもそもどういう経緯で今に至っているのか?ヘタしたらそこが世界終末戦争の引き金になりかねないというのに、何の理解もせず、「またドンパチやってるんかいな。もうお互いええかげんにしたらええのに。」でも済まされない気がする。これなど紀元前の旧約聖書の世界にまで遡らないと理解できない。 たとえば現在アメリカは唯一の超大国となっているが、果たして近い将来に凋落する可能性は無いのか?・・・アメリカの腰巾着状態で生きながらえている日本としては決して無視できない問題である。過去の歴史において大国がどのようにしてその栄華の終焉を迎えたのかを知れば多少ヒントにもなるだろう。 等々、この本を読みながらそんなことを考えていた。 高校の教科書の無味乾燥した記述から世界史に興味を持てと言ったって無理な話である。こんな本が教科書だったらと思う。 ・・・・・それほど面白い本でした。 どんなテキストでもそうだけど、1人の著者が多少偏っていてもいいから自分の主張を貫いて書いてあるものの方が圧倒的に面白い。(その主張はもちろん鵜呑みする必要は無いのだけれど。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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