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2010.03.02
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カテゴリ:産婦人科医療
奈良県大淀病院の妊婦死亡事件で原告の請求棄却の判決が出た。

「主治医の判断ミスで転院が遅れた」
「脳病変を疑ってCT検査を実施するべきだった」
というのが原告の主張だったが、この妊婦を受け入れることが可能な病院(脳外科、産婦人科、NICUの全てが夜中にフル稼働できる病院)が無かったのだから、主治医や病院のミスを追求するという訴え自体に無理があったのである。もし強いて訴えるというのなら、救急医療体制に対して責任を負うべき自治体や行政が被告になるべきだっただろう。

この事件が起こった当時、マスコミはこぞって主治医や病院を批判していたことをおぼえている。ステレオタイプな医療悪玉説を垂れるしか能がなかったのである。そんなことも提訴に至った根底にあるのだろう。

今思っているのは、原告である死亡した妊婦の夫の心境である。

最愛の妻が突然亡くなるという不幸・・・このような理不尽なことがなぜ我が身に起こったのか?理不尽な不幸に襲われたとき、人間は怒りの矛先をどこかに向けようとする。しかし向ける方向を誤ることは本人にとってはさらに傷口を広げることになりかねない。
夫の怒りの矛先が主治医に向いたのは、これまた不幸なことであった。事の本質を正しく理解していなかった。しかしそれはおそらく彼自身の責任とも言えまい。

今回の裁判がどういう経過で提訴に至ったのかわからないので、ここから先は一般論として書く。誤解無いよう。

いくつかの医療裁判を身近に見てきてわかったことなのだが、怒りの矛先を医療側に無理矢理向かわせる外野の人間が大勢いるようだ。事情をよく知らない親戚であったり知人であったり。そういった取り巻きが、いわゆる「人権派弁護士」などという怪しげな人物を引っぱってくることもある。
(実際に私の住んでいる地方にも、都会から医療裁判を起こすためにクライアントを探しに来ている弁護士の一団がいた。信じられないことだが、障害を持った子供の親を捜し出し、出産時の医療ミスとして提訴できそうな例は無いかを調べていたのである。田舎は都会に比べて潜在的な需要がまだ眠っていると想定してのことだろう。)
結果として、裁判など考えたこともなかった家族が提訴に踏み切る。家族にすれば、怒りの矛先を医療側に向けることで理不尽さのいくらかは解消できるのだろう。長期にわたる裁判の中で、怒りはますます先鋭化していく。しかし原告敗訴となったとたんに、振り上げられた拳は宙に浮いてしまう。結局は傷口をさらに広げただけで、何も得るものがない。

福島県立大野病院の医師逮捕事件もそうだ。医師が起訴され逮捕されたことで家族の怒りの矛先は担当医に向けられ、彼が制裁を受けることによってしか気持ちの整理がつけられない状態になってしまった。当然のことながら担当医は無罪になったが、ハシゴを外されたかっこうになった家族は、行き場のない気持ちをかかえたまま身内の理不尽な死をこれからも引きずらざるを得ないのである。
いいかげんな起訴を行った検察は何と罪深いことか。彼らは何のお咎めも無しだ。

このような裁判が、医療システムの改善に役立っているかといえば、実際はその逆で、ますます救急医療から手を引く医師、病院が増えて医療崩壊に拍車をかけているのである。





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Last updated  2016.10.03 01:20:01
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