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親父が亡くなった。享年82才。
父親の死が悲しいのはもちろんだが、皆から惜しまれて亡くなったことが、息子としてはせめてもの救いだった。 手術不可能な癌がみつかってから6年、その間抗癌治療を続けながら、死の1ヶ月前まで仕事をしていた。今年に入ってからは衰弱していくのが家族にはわかったが、皆に心配をかけまいと極力平静を装っていたようだ。仕事関係の人達は突然の訃報にかなり驚いていた。 葬儀の後、病室から持ち帰った荷物を整理していたら、妹が一枚の書き置きをみつけた。病院の案内用紙の裏の白紙に書かれたもので、父が死を間近に感じて、力を振り絞って書いたらしい。 やや乱れた字で 「我に悔いなし。感謝あるのみ。ありがとう。ありがとう。」 と書かれてあった。 立派な生き方と立派な死に方だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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